第12話「ありがとう」
そして記入した上城さん宛に書いた契約更改書を上城さん本人に見せながら丁寧に説明していく。
「上城汐花様、メイドカフェさくら従業員契約更改確認書。本日から新たに手続きを更新し、ここに従業員契約年数を大型契約となる5年で総額保証年給は従業員契約規定に基づいて、総額3000万円+その都度の月々の出来高を有効とする。あとはここに名前をフルネームでお願いします」
その内容を確認した上城さんは、半泣き状態になりながらこう言う。
「これ、マジで契約更改書に書いてるんだけど‥なんで、どうして?うちは、この手でほっぺたを強く叩いたんだよ。それなのにしかも5年契約で、総額3000万円の内容ってうち、どれだけの評価をされてるの?」
「だってこうでもしないと信じてくれないでしょ?上城さんの話は女長から聞いて、働いてる時の動画なども見させてもらった。僕は上城さんを高く評価しているという証明をしてあげたい。ちなみに僕は上城さんにに手を出したり絶対しない。万が一、そのような事があれば、僕を殺してくれても良い。命をかけます」
僕がすごく真面目な表情をしなから上城さんにはっきりと伝えると、上城さんは、いきなり僕の右手を繋ぎながらお城の中に連れていって、そのまま自分の個室の中で連れていく。
それからすぐ泣き崩れながらこう言ってくる。
「本当にごめん。それにうちは小川さんを心と身体に傷つけてしまったから、小川さんもうちを好きなだけやりたいように、やっていよ。えっちなことだってしていい。だってうちはそれだけの事をしてしまったんだから」
涙がどんどん溢れ出してくる上城さんの姿を見て僕は、書類を一度しまってから、優しく両手をにぎりしめながら上城さんにこう言う。
「そんなことしない。それにえっちなことなんで恋人関係がする事だから。彼は上域さんとこれから仲良く楽しく仕事をしていきたい。こんな頼りないメイド長はいらないと思うけど、これからよろしくおねがいします。」
その言葉を聞いて上城さんは、僕を強く抱きしめながら涙を流した状態でこう言う。
「なんでそんなに優しくしてくれるの?うちは小川さんを傷つけてしまったのに。そんなこと言われたらうちどうしたら良いの?
「これから僕と共に働いてくれたらそれだけで僕はうれしいよ」
上城さんに優しく自分の気持ちを伝えると、上成さんは顔を少し赤くしなから返事する。
「ありがとう。うちのことは汐花って呼んで。それといつでもここに来て良いから。うちがガードマンの人には話しておくから」
その言葉を聞いて僕は、少し恥ずかしそうにしながらこういう。
「それじゃ、しおちゃんって呼んでも良いかな。汐花でも良いんだけど、しおちゃんの方が個人的にもっと仲良くなれるかなって思って‥」
僕が汐花にそう言うと、汐花は僕をじっと見つめながらこう言った。
「もちろん良いよ。うちの事、好きなように呼んで良いよ。右の頬すごく痛いでしょ?お詫びにうちがいっぱい今から舐めてあげるから、そのままじっとしてて」
そう言ってからしおちゃんは、僕の右のほっぺたを舌で何度も舐めていき、気づけば15回くらい繰り返してから、最後に唇で軽くキスまでしてくれた。
僕は顔を真にしなからこう言ってから、しおちゃんをぎゅっとだきしめていく。
「し、しおちゃんそんな事されたら、僕、すごくうれしくてすごくドキドキしてしまうから。それじゃ僕からもちょっとさせてもらいますね。しおちゃん。」
この時、しおちゃんは、すごく顔を真っ赤にしていて、ここに来てすぐの時とは、全く別人のようだった。
こうして上城さんとも無事に再開することが出来て、仲直りすることも出来たのであった。




