第11話「どれだけの評価」
ついに僕が上城さんの自宅に行くことになり、約10分くらいしたところにものすごくキラキラと輝いたお城があり、住所を確認してみたところ場所にまちがいなさそうである。
中に入りたいため、ガードマンみたいな人が5人ほどいて、なかなか思うように進むことが出来ず困っているとなぜか警視庁の真央さんがいた。
「真央さんじゃないですか。どうしてここにおられるのですか?」
小さめの声で訪ねてみると真央さんが苦笑いをしながら小さめの声で話してくれる。
「将史くん、こんにちは。今から将史くんと話をすることを姉の桜から電話があって、ちょうど時間もあったから。ここの厳しそうなガードマンの人に営業証明書を見せて、少しあたしの友人が話したいことがあるのでお願いしますって話してたところなの。こうしないと普通の自宅とは、違って本人は出てこないから。なんと言っても汐花ちゃんは、お嬢様だからね。」
「そうだったんですね。わざわざお忙しい中ありがとうございます」
僕が真央さんに小さめの声でお札を言っていると、お城からゆっくりと本人が僕の顔を見た時にすぐ、イラッとした表情をしなからやってきて、真央さんに一言お礼を言ってから続けて僕にキツめの口調で話してくる。
「八田警部もわざわざありがとうございました。 警部の友人って聞いたから誰かと思って出てきてみたらコイツか。戦力外通告決定同意書なら書くから早く出して!」
上城さんの様子を見て僕は表情をできるだけやんわりさせながらこう言う。
「この間は本当に申し訳なかった。今日はメイド長としてではなく、ただの素人として来させてもらった。別に蹴りたければ蹴れば良いし、なぐりたければ殴れば良い。だから少し話かしたい。」
すると上城さんが変な笑い方をしながら僕に返事をしてくる。
「ふふふっ。それでわざわざ八田警部と一緒に来ているわけね。確かに素人だけでは、ここではうちと会うことは出来ないもんな。ははは。うちはお金持ちだから、うちが働かなくても生活には何一つ困らない。うちは男が大嫌いなもんでね。だからたまにここのガードマンとケンカすることだってあるくらいさ。」
その話を聞いて僕は上城さんに落ちついた表情でこう話す。
「上城さん上城お嬢様かな。本当にすごいだなって思うし、確かにお金になら困らなそうだね。でもお金はでは味わうようなことが出来ないことだって、あるんじゃないかな。僕は反対に今、お金がなくてこれから貯めていくところだけど、お金ってそんなに沢山は要らないんじゃないかなって思う。僕はね。それに僕は上城様になら3年や5年契約をさせてもらうかな。」
僕がそう言うと上城さんは、すごく笑いながらこうってくる。
「5年契約!?そんなの嘘でしょ!調べてもらったら分かるけど、うち前のところではずっと1年で、さくらでも2年契約が最高だよ。5年なんて本当に一流で若いメイドさんでも聞いたことないから。しかも今、うち26歳だから、そろそろ引退の時だっちゅうの。」
上城さんの表情をよく見ていると笑いの中に少し涙目になっているのが分かった。
そのため僕は、契約更改書を用意してボールペンをズボンのポケットから取り出して、本人の前で書類を小さくつぶやきながら書いていく。
「これ、初めて書くからな。書き方がよくわかりませんけど、僕の名前と契約年数と最低保証年給、日付を書いたら良いでしょうかね?よし出来た。」
そして記入した書類を上城さん宛に書いた契約更改書を本人に見せながら説明を丁寧にかつ、慎重に始めていく。




