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0.3 フェニックス

「ア゛ア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッッッ」


それは聞くに絶えない凄惨な悲鳴だった。


「い、今のは!?」


僕が素早く悲鳴のする方へと視線を向けると隣から愉快そうに丸眼鏡の男が話し始めた。


「今あそこでウフフな事が行われてる気がするんだなぁ〜♪ 丁度未室だし♡」


絶対にこれはこれはそんなもんじゃない!…と僕は心の中で叫んだ。


「お前も同情には値するけどよォ、オレはもっと納得他できない理由でここに連れ込まれたんだぜェ?」


そう言うと男はコチラにジリジリとにじり寄り、おもむろに僕の尻を触り始めた。


僕がその手を振り払うと男は残念そうにしながら話し始めた。


「オレはよォ、魔法生物を実験して霊薬を造りだす仕事をしていだんだ。俺の地元じゃよォ実験用の魔法生物を貰っていたのようによォ ここの協会はちっとも魔法生物をよこしやがらねぇんだ。」


「隣の奴がフェニックスを飼ってたからよォ…旅行する時に俺に預けるように仕向けたんだよ、そしたらよォ、トリ公の顔がムカつくんで実験がてら八つ当たりしてたんだよ。帰ってきてそれを見るなり隣のヤツは俺を訴えてきやがったんだ!信じられねぇだろ!?」


「それはそうだろ」


丸眼鏡の男は声高に叫んだ


「なんでだよ!?」

「フェニックスは不死身なんだから虐待しても無罪だろ!」

「実際、無殺生を掲げる教派もフェニックスは美味そうに食ってる。まぁ植物もだけどな」


捲し立てるような男の話に戦慄していると、


カシャン…カシャン…と足音が近づいてきた。


足音の主はどうやら騎士のようだった。


肩に銀で象られた翼のエンブレムのある黒色の甲冑に身を包み黄色いマントを羽織った男が僕の眼前で歩みを止めた。


「ディーン・ソーダー出るぞ」と低い声でその騎士風の男は呟いた。


「BB騎士団だァ!!」


丸眼鏡の男が突然叫んだ


「帝国最強の騎士が何故ここに!?」


等の騎士はその声には目もくれず僕を連行した。


「待って、サインをくれ〜〜〜!!」


という声が遠ざかっていくのを感じた。

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