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契約について

フリー編

営業の方との顔合わせだと思って向かった面接だったが、あっという間に働き口が見つかり、明後日からの現場への入場が決まった。

しかし、営業の上田さんとは詳細の話ができておらず、契約は一体どうなるんだ?と心配しかない状況であった。

【契約について】

 飯田専務、大川さんと別れ、下北沢駅へ向かう途中、上田さんに電話をかけた。

契約の詳細について確認するためだ。


本来ならば、今日、上田さんに会って、条件などを話して、その後に具体的な案件を・・・という流れだと考えていた。仕事が決まったのは嬉しいことなのだが、条件について話さないまま、仕事だけを先に決めてしまった。というのは、進め方を間違えてしまったな、という後悔を感じていた。


上田さん:「はい。上田です。ああ、churuさん良かったね。飯田専務から連絡あったよ。明後日からだって?」


私:『はい。上田さん。ありがとうございました。無事、面接も通りまして、現場にも連れて行ってもらいました。』


上田さん:「よかったですよ。決まって。それで単金の件なんだけど、下が140hで、上が180h、月30万円で大丈夫かな?」


私:『え???あ、すみません。上下?ってなんですか?今回、こういうの初めてなので、教えていただけると嬉しいです。』


上田さん:「ああ、そうだよね。ゴメンゴメン。そうだそうだ。恵美さんからそう聞いてたよ。」


【はじめての条件提示】

いまでは当然のように分かっているが、新卒でお客様のプロジェクトに参画していただけの私は、エンジニアの費用の仕組みなどよくわかっていなかった。前職の先輩の奥様で、フリーランスで活躍している恵美さんにもっとちゃんと聞いておくべきだったと下調べの甘さを少し反省した。


上田さん:「そうだね。下140時間っていうのが1ヶ月で140時間を下回ったときに減額される基準の時間だね。上180時間っていうのが1ヶ月で180時間を上回っときの残業分がつく時間だね。おそらく、少し忙しい現場だから180時間以上になると思んだよね。3年で1カ所の現場しか経験がないからね。30万円くらいが相場だと思うよ。」


私:『なるほど。そういうことなんですね。ルールは分かりました。たしかに経験が浅いので、大きな費用を望んではいないです。この先、経験を積んでいければとも思いますし。』


上田さん:「うんうん。次はねやりたい案件につけるように僕も頑張るから。」


私:『ありがとうございます。では、明後日からお願いいたします。』


前職で月20万円も貰えてなかったからな。30万円は妥当だろう。と誤った認識の中、私は仕事を請けることにした。他に仕事もなく、そして、あてのない私は請けるしかない状況でもあったのだ。


【現場への入場】

2日後の金曜日に現場へ入場した。

今もこう呼ぶのかは分からないが、現場へ「入場」すると言ってた。


下北沢の駅から徒歩で約10分。建物の前でOさんが待っていてくれた。

IDカードがないと中に入れない。初めての個人事業主で、1人で現場にやってきて、大川さんの存在はとても頼りになった。


普通のマンションのように見える外観とは違って、中に入るとオフィスそのものだった。

オフィス用のデスクに制服をきた女性が事務処理をしているようだった。男性の姿はとても少ない。


そして、その脇を通りすぎ、一回、階段を半地下分降りて少し進む。


大川さん:「ここ喫煙所だからね。」


普通の通路に設置された。灰皿。

たくさんの吸殻が残っている。通路に灰皿が置いてあり喫煙所となっているので、周囲はニコチンの臭いが充満している。

そして、その喫煙所の横の階段を1階分あがり、作業場所の部屋についた。


扉をあけると、人は少ないが、むさ苦しい空気が充満した、いかにも作業場所という言葉が似合いそうな、会議室にあるようなぶっきらぼうな机をただ並べただけ光景が目の前に広がっていた。


【忙しそうなプロジェクト】

大川さん:「とりあえず。僕の隣でいいと思うだけど。鞄を置いて、タバコでも吸いに行こうか。タバコ吸うよね?」


私:『あ、はい。』


3人座れる長机が、2つずつ、5列ほど並んでる。

上にはラップトップパソコン。

右手のほうには、オフィス用デスクが向かい合わせで4つずつ計8つ島を構成しており、その上にはパソコンが置いてある。

パソコンと言っても、当時はブラウン管の大きなモニタのパソコンだ。


奥の方には会議室だろうか?扉のある部屋が一つ見えるが、中まではよく見えない。

前職の綺麗な職場とは真反対のところにきたなぁと、驚きを隠せずにいた。


大川さん:「すごいでしょ。俺もあんまりこういうの初めてなんだよね。」


私:『あ、そうなんですね。』


その言葉に、ここは珍しい現場なんだ、ということを密かに確認する。


大川さん:「たぶんね。もう少ししたら、プロジェクトマネージャーが来るから。みんな夜遅くまでやってるから、プロジェクトマネージャーの山崎さんは、きっと、朝帰ったんじゃないかな?」


なるほど。これはなかなか忙しいプロジェクトだぞ。大丈夫か?と不安を感じながら、タバコを吸う。


【プロジェクト談議】

私:『どれくらいの人がいるんですか?』


大川さん:「そうだね。システムエンジニアの人が8名いて、彼らがそれぞれサブシステムのリーダーをやってるよ。その下に2〜4名くらいプログラマがついていて、上の人たちはよく分からないけど、Tシステムって会社が開発を請けているから、我々はその会社で仕事をしてることになるね。」


私:『さっきのプロジェクトマネージャーはTシステムの人ですか?』


大川さん:「いや、プロジェクトマネージャーはFシステムの人だね。山崎さん。もうひとりサブで石山さんがいて、彼らがプロジェクトを回してるよ。回ってるかどうかは分からないけど。」


と、苦笑いをしながら、大川さんが語るその口から出てくる言葉の端々からは、プロジェクトがうまく進んでいないことを示唆する微妙なニュアンスが伝わってくる。


大川さん:「あ、そういえば、H社の汎用機やってたんだよね?JCLできるんだっけ?」


私:『はい。3年半やってました。JCLももちろんやってましたので、簡単なのであれば作れると思います。』


大川さん:「よかった〜。実はJCLわかるやつがほとんどいないんだよ。僕もH社の汎用機やってたけど半年ほどプログラムしただけで、JCL作ったことないんだよね。で、他の人はほとんど、F社かI社の汎用機の経験しかないから。」


私:『え?そうなんですか?それで開発ってできるんでしたっけ?SEの人たちがJCLも設計するのではないんですか?』


大川さん:「いや、本当はそうなんだろうけどね。」


F社のプロジェクトであるため、ライバルであるH社の汎用機のエンジニアを集めることが難しかったらしい、とのことだった。

そのため、H社の汎用機のベースとなっているI社の汎用機の経験があるエンジニアを集めたが、それでも、ところどころ違うところがあって、進捗が思わしくないらしい。


そうこう話しているとプロジェクトマネージャーの山崎さんが出勤していた。


山崎さん:「おはよう」


大川さん・私:「おはようございます。」


山崎さん:「今日からでしたね。町田さんから聞いてます。とりあえず大川さんから業務について説明を聞いてください。」


私:『はい』


山崎さん:「あ、それと明日出勤できるかな?」


業務内容も聞いてない状況で、やることも分からない状況で、土曜日の出勤って・・・。やっぱり超忙しいプロジェクトなんだ。との確信を得るとともに、不安だけが広がる初日の朝であった。←まだ朝一、仕事はじまってませんw


つづく


※この物語は経験をベースにしたセミフィクションです。


最後までお読みいただきありがとうございました!

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