新JCLチーム
フリー編
PMが林田さんとなり新体制で、新インターフェースシステムがリスタートした。
リリースまで時間はないが、Fシステムの社員が責任者となって、プロジェクトが一体となって進むだろうと、みんな希望を抱いていた。
【新JCLチーム】
新体制で私はJCLチーム専任となった。
Fシステムの水原さんが責任者だ。
リーダーの小森さんはもうJCLチームにはいない。
みんな、これからも小森さんのことはリーダーと呼ぼう、と言っていた。
一番、リーダーらしくない小森さんを、みんなはリーダーと呼ぶことに慣れていた。
私:「水原さん、よろしくお願いします。」
水原:「こちらこそ、よろしくお願いします。」
水原さんはいくつくらいだろうか?30代後半?私より全然年上だとは思うけど、髪の毛に白髪が混ざってはいるが、歳のせいではないらいしい。
水原:「私はF社の汎用機はいくらでもやってきてるんだけどね。H社の汎用機を触るのは初めてなんだよね。だから、いろいろ教えてもらおうと思ってるのでよろしくね。」
私:「はい。よろしくお願いします。」
Fシステムの社員だからと言って、H社のシステムのことまでは分からない。それは当然だろう。F社とH社は競合なんだから、基本的に相手方の汎用機で開発をする機会なんて、ないのは当然の話なのだ。
水原:「まずは、JCLの全体を把握して、計画を立てて直していこう。」
私:「はい。わかりました。」
水原さんの指揮のもと、JCLチームはリスタートした。
【サブシステム】
課金サブシステムは赤井さんと大川さんの2人での対応となった。Fシステムの責任者は服部さん。課金サブシステムは他のサブシステムと比較しても、完成度が高かったはずだ。仕様上の問題がなければ、大きな修正もなく順調に進むだろうと思われた。
経費サブシステムは、角川さんと小森さん。そこに、PMの林田さんの右腕的存在の田中さんが責任者でついている。
そして、来週から角川さんの会社から、もう1人増員されるらしい。
田中さんは、もともと林田さんのプロジェクトではサブマネージャーを任されていた。
今回、山崎さんがサブマネージャーになったため、サブシステムの責任者となったが、やはり、経費サブシステムがこのプロジェクトの重要なポイントとなるのが分かる人員配置であった。
私:「リーダー、JCLチームからいなくなって寂しいです。」
小森:「え?リーダーって俺?もう俺JCLチームじゃないから、リーダーじゃないよ。」
大川:「いや、リーダーはリーダーだよ。」
小森:「そう?じゃぁ、これからもリーダーって呼んでも、いいよ!」
リーダーでもないのにリーダーと呼ばれたい。
小森さんは、やっぱり、リーダーと呼ばれることが嬉しらしい。
これからもみんなで小森さんのことはリーダーと呼ぼう。
【プロジェクト計画】
香川さんの請求サブシステム、村井さんの支払サブシステムは、Fシステムの川島さんが責任者となった。
請求サブシステムは帳票の日本語の設定方法がおかしかったから、その対応に香川さんは集中できるようになりそうだ。村井さんの支払サブシステムも順調に進んでいた。
元サブマネージャーだった石山さんは、入力サブシステムと連携サブシステムの責任者になった。
入力サブシステムの江川さんは、Tシステムの社員。立花社長の元、唯一、エンジニアとしてプロジェクトに参画している人である。
画面の作成を中心にしているから、他のサブシステムに変更があると、一番影響がでてくるサブシステムとなる。
連携サブシステムの原田さんは、もう、1週間に1度、いや、2週間に1度程度しか顔を見ることがない。
連携サブシステムだけは、他システムとの連携があるため、スケジュール通り進んでいて、既に結合試験まで終わっているサブシステムだった。
石山さんは、この2つのサブシステムの責任者ではあるが、プロジェクト当初から仕様をみてきた1人として、単にサブシステムだけでなく、全体仕様も対応するということだ。
2つのサブシステムの責任者ではあるが、この2つのサブシステムのボリュームが他のサブシステムよりも少ない理由がそこにあった。
これらのサブシステムでそれぞれ、Fシステムの責任者たちが、先週から見直してきた仕様をまずは反映して、それから、結合試験へ進んでいく、とういことだった。
我々、新JCLチームも、再度、入出力ファイルから仕様を見直し、各サブシステムの修正内容を反映させていく流れとなっていた。
【忘年会】
大川:「さっき、飯田専務から電話あったよ。」
チームは違えど、大川さんとはまだ隣同士で座っている。
私:『あ、そうなんだ。またあの調子?』
大川:「そうそう。いつもの調子いい感じで(笑)」
飯田専務の顔が頭に浮かんだ。
大川:「なんか、12月に入ったら、町田さんを誘って、忘年会をやろうって言ってたよ。」
私:『あ、そうなんだ。町田さん12月で退場だけど、大丈夫なんだろうか?』
今週、町田さんは出社していない。
井川さんが1人、新インターフェースプロジェクトチームのメンバーに聞きながら、着々と仕事を進めているようだった。
大川:「それで、佐藤さんも一緒に来てくれって、言ってたよ?」
私:『え?私も?大丈夫だけど、いいのかな?行っても』
大川:「いいんじゃないの?来いって言ってるし、I社へ取り込みたいだけだと思うけど(笑)」
たしかにそうなんだろうけど。。。
飯田専務と話すいい機会だし、町田さんとも話せるなら、と、ちょっと先の忘年会に出席するが楽しみの一つとなった。
忘年会行けるだけ時間があればいいけど・・・と、心配もあったが。
【全体フローの見直し】
水原さんは、JCL全体を見直した結果、全体的にフローを書き直そうと言っていた。ただ、その前に、水原さんにH社特有のJCLの書き方を教える必要があったのだ。
水原:「いやぁ、慣れないと難しいね。やっぱり。」
私:『そうですよね。でも、JCLはそこまで難しくないから、慣れの問題だけなら慣れるしかないですね。』
COBOLのプロブラムであれば、メーカーの差はそこまでない。しかし、JCLでは、汎用機のメーカー、そして、OSのバージョンによって、大きく異なってくる部分も多いのだ。
水原:「最近、歳で目もかすみ気味で辛いよ。」
私:『え?水原さん、そんな歳をとっているように見えないですよ?あ、でも、キー打つ手、震えてるじゃないですか?』
水原:「え?歳だよ歳。目と一緒だよ。アル中じゃないからね。」
そんな、冗談を言いつつも、JCLチームとして、プロジェクト全体を支えるために作業を真面目に進めていた。
【あの話の謎】
服部:「あ、水原さ、このJCLってどういうこと?」
課金サブシステムの服部さんがJCLについて質問に来たので、水原さんと私で説明をした。
服部:「そういえば、水原さ、例の件、聞いた?」
どうやら、服部さんと水原さんは、同期らしい。
水原:「聞いたよ。なんか。おかしいよな。」
服部:「うん。そうだよな。」
私には何のことを話しているのか分からなかったが、2人は呆れたような顔で話していた。
服部さんが席に戻ってから、私はどうしても気になって、何の話しから聞いて見た。
私:『なんだったんですか?さっきの例の件って・・・。』
水原:「あぁ。あれ?」
「言えないことかな?」と思ったのだが、水原さんはすぐに答えた。
水原:「あんまり大きな声では言えないけどさ。。。」
ニヤリとこっちを向くと、むしろ、話したかったように口を開いたのだった。
つづく
※この物語は経験をベースにしたセミフィクションです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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