町田さんの誘い
フリー編
林田チームの調査が進む中、会議室に呼び出された町田遊軍メンバー。
何をするかも分からないまま、待っていた町田さんの口から出た言葉は「土日の予定は空いている?」と言う言葉だった。
【町田さんの誘い】
「今週末、土日、予定はあいているかな?」という町田さんの言葉に、会議室にいた面々はどう答えて良いかわからない様子だった。
そんな、どうしたらいいかわからない空気の中、薩田さんが口を開いた。
薩田:「あ、僕、空いてますよ。もちろん調査があると思うので、出社することになると思うんですけど。」
町田:「ああ、そうだね。調査のことは考えなくて良いよ。プロジェクトは落ち着いているから、それはね、考えなくていいんだよ。」
厳密に言うと、町田さんは別のプロジェクトのPMをやっていると聞いていたから、どこまで「考えなくて良いよ」と言う言葉を信じて良いか分からなかったが、他のメンバーも次々と予定が空いている旨を申し出た。
もちろん私もだ。
町田:「ここにいるメンバーはさ、僕が誘ってプロジェクトに入ってもらったメンバーなんだよね。で、みんなが優秀だと思ったんだよ。だから遊軍に選んだんだけどね。」
「あ、そうなんだ?」とそこにいるメンバー同士でアイコンタクトで同意する。
町田:「だから、せっかくプロジェクトが落ち着いているから、旅行に行きたいと思ってさ。なじみの旅館が伊豆にあるから。みんなで行こうよ!」
え?急に伊豆に旅行か・・・と、本当に出社しなくてもよいのか?ということと、なぜ急に旅行に行くことになったんだろう?という不可解な不安があったが、みんなその誘いに乗るしかなかった。
よくよく聞くと、交通費だけ払ってくれれば、宿泊費や食事代はいらないという。
ホントにそんなおいしい?話があるのかな?と思いながらも、忙しい日々を過ごしてきた息抜きだと自分に言い聞かせた。
【見知らぬ番号】
会議はその旅行の話だけであった。
大川さんと行っても大丈夫なのかなぁ?と話し合いながら席に戻った。
そして、それと同時に見知らぬ番号から携帯電話へ着信があった。
私は戻ったばかりの席から立ち、電話ができる場所へと移動した。
私:『はい』
川原:「もしもし。はじめまして。河原と言うんだけど。」
川原?えーっと誰だっけ?と頭の中で記憶を辿った。
あ、そうだ。
私:『あ、Z社の社長の川原社長でしょうか?』
川原:「そうそう。よくわかったね。飯田専務から聞いていたかな?」
私:『はい。飯田専務からうかがっておりました。』
川原:「今回は迷惑をかけたね。うちの上田が、変なことをしてしまったから。それでお詫びとともに、一度、お会いしてこれからのことを話したいと思ってね。」
私:「分かりました。是非、お願いします。」
そういえば、大川さんが言ってたな。Z社の川原社長にI社の飯田専務が話したから電話がくるって。と大川さんとの会話を思い出していた。川原社長とは来週、会う約束をして電話を切った。
これで、少し契約の内容もよくなるのかもしれないな。。。
少しの期待と、大きな不安を残しながら、少し前進するようなそんな気持ちでいた。
【商流説明】
さて、I社の飯田専務、Z社の川原社長と登場人物が増えてきた。
いままでの話で出てきた商流をまとめたので見てみよう。
お客様のK社からF社へ発注されている。
それを子会社であるFシステム社が1次請け会社として要件定義を中心に対応した。
その下で二次請けの会社としてTシステム社がいる。
Fシステムと一緒に要件定義、基本設計を実施した。
そして、Tシステム社はSソフトに依頼して、今回のネックとなっているH社の汎用機の経験があるメンバーを集めてもらったのだ。
それが、I社以降。
角川さんはI社と同じ立場でSソフトと契約をしている会社ということだ。
角川さんの会社と同じような商流の人もいれば、私ほどではないがSソフト社と自分の間に数社いるパターンなど、いろいろな商流のパターンを経て、プロジェクトに参画している人がいるようだ。
私もこの時点で会ったことのない人がいる会社が3社入っている。
私のあったことのない人の会社が普通に商流の間に入っていて、費用を得ている多重請負の構造がそのまま表現されている。
さらにプロジェクトの話をすると、今回、私が参画しているプロジェクトは新インターフェースプロジェクトと呼ばれている。
K社が新規システムへ移行するために、現行システムでまずはインターフェース部分のみ先に動かす必要があったのだ。
町田さんはプロジェクトスタート時は、この新インターフェースプロジェクトに参画していて、立花さんと同じTシステム社の人間として携わっていたようだ。
しかし、前述の通り、プロジェクトの進行に影響があったため、人員管理プロジェクトというサブの井川さんと2人で対応ができるプロジェクトを担当することになったそうだ。
帳票やJCLなど、手が回らない部分があるため、町田遊軍というチームをヘルプできるように作ったということだ。
私自身も入場して1ヶ月も経っていない状況で、前職の3年半を超えるような経験をしたように思える。
そして、この週末の伊豆旅行。
いったい何がおこるのだろうか?
つづく
※この物語は経験をベースにしたセミフィクションです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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