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true177の短編小説10作詰め合わせ【2】

塩対応さんは感情表現が苦手なご様子です。

作者: true177
掲載日:2023/01/09

 超能力が世界に存在すると信じている人は、どれくらいいるのだろうか。子供っぽく思われたくないからとインタビューでは頭ごなしに否定しても、内心は『あってほしい』と願う人は、少なからずいるだろう。


「……雅人まさひと、そっちじゃない。それは、去年のやつ。題名が今年のと違う」

「……よく分かるな……」

「在校生として、当然のこと」

「学校が出してる季刊誌なんて、ロクに見ないだろ……」


 雑用係をやらされている雅人も、超能力を割と本気で実在していると思っている男子高校生だ。幼い時代にテレビのバラエティー番組で海外の超能力者特集を見て、憧れていたのは黒歴史になる。


 その雅人の隣で指示を出しているのは、同じく厄介ごとを背負わされた不運な女子生徒、れいだ。誰にでも塩対応で有名な彼女は、どこか神聖なところがある。ギャップが一切存在しないのが、存在の神格化に拍車をかけている。


「……それは、関係ない雑誌。持ち込んだ人、校則違反」

「いいじゃないかよ、これくらい」

「ダメなものはダメ」


 感情の欠片も見えない。最新技術で作られた人工知能よりも人間味が薄い。


「……ところでよ、れい。超能力って、信じるか?」

「……随分非科学的なもの過ぎる。そんなもの、信じない」


 そして、現実主義者である。どちらかと言えばネガティブ思考であり、下にブレ幅がある選択を拒む。


 雅人が超能力を話題に出したのは、別に麗に揺さぶりを掛けたかったわけではない。副産物で感情を引き出せやしないかと狙ったが、本題は違うところにある。


 今朝目が覚めた時、ゲーム機が散乱している勉強机に一枚の紙が置かれてあった。筆ペンで書く理由があったのかどうかは分からないが、


『あなたは、今日一日限り他者の好感度数値を映し出すことが出来ます』


 広告の裏にそうインプットしてあったものを、誰が信じるだろうか。雅人も、最初はいたずら書きが風に乗って窓から入り込んできたものだ、と考えていた。


 ところが、である。好感度が見たいと念じたところ、街を行く人々の頭のてっぺんに数字が表示されていたのである。騒いでいる様子もなかったことから、見えているのは雅人だけのようだった。


 数値は全てが『0』。それはそうだ。赤の他人なのだから。


 ……そういえば、麗にはまだ試してなかったな。


 クラスで一番の容姿を持つ女子にも使ってみたが、見事に一桁台であった。矢がグサッと心に刺さったが、仕方がない。


「……ところでよ、麗。誰かを好きになったこと、あるか?」


 麗に向かって、好感度パラメータの出現を念じる。


「……ある。でも、そんなことは雅人に関係ない」


 相変わらずの仏頂面だ。


 数字が、麗の真上に浮かび出た。


『89』


 えっ、と驚きが口から飛び出しそうになった。でたらめな数字が出ているのではないか、とも思ったが、数字が出現すること自体が超能力以外で証明できない。


「……動きが止まってる。続き、早く」


 雅人は作業を再開させたが、異様に高い好感度のことが頭から離れない。


 ……黙々と取り組んでいる雅人の目が届かないところで、麗の唇がふっと下方に緩んだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです! 麗さんのキャラクターが魅力的で好きです! 最後の麗さんの表情、主人公への好意からなのか、実は超能力者だったりするのか、その両方だったりするのか、検討はずれかもしれません…
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