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大賢者の初期魔法遊記  作者: 日向首席
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大賢者の目覚め

それから、一体どれくらいの時間が経ったのだろう。

(目を……覚まして……は…………から……あなたは……ない……選ば……賢者……)

私は、どこか聞き覚えのある声で目を覚ました。

「ここは……?」

 辺りを見回すと、まるでRPGの世界の様な町並みが広がっている。

「えー!どこここ!?なにここ!?」

 辺りに、隣に座っている空音の声が響く。


「これって私たち、ほんとにゲームの世界に入っちゃったの...?」

「そ、そう……かも……ね」

この状況には、常に楽観的な空音も流石に動揺しているようだ。


「すっごーーー!やば!!テンションぶち上げ~!!」

 ……違った。

「何でそんな楽しそうにしてんの。私たちもう戻れないかもしれないんだよ?」

「え!?……それはそれでアリじゃない!?」

もうダメだこの娘は。


「で、これからどうすんの。どうやって元の世界に帰るのか、見当もつかないけど」

「ふっふ~!それならゲーマーの私に任せて!こういう時は、まず、周りの人に話を聞くの!」

「ゲーマーとか関係なくみんなそうでしょ」

「じゃあ、あの人に聞いてみよー!」

空音は、そう言って博識そうな老人に話しかけた。


「すいませーん、遠い国から旅をして来たので、この辺りの都合が分からないんですけど……」


 空音にしては賢い聞き方だ。異世界から来ただなんて言ったら怪しまれてしまう。

 しかし老人は、何故か怪しむ様な強い口調で、

「遠い国...? それは一体どの辺りかな?」

 と訊く。


「えっ……いや、いわゆる異世界ってやつで…………あっ」

 それにビビった空音が思わず本当の事を言ってしまった。

 ……これはまずい。 こういうゲームの世界では、怪しまれるとあっさりお縄になってしまう事も多いのだ。

 しかし老人は、それを聞くと安心した様に、

「ああ、異世界からか。それならそうと言ってくれれば良かったのに。それなら、まず冒険者ギルドに行くといい。そこで冒険者登録をするんだ」と優しく教えてくれた。

「ど、どうも!ありがとうございます!」

 空音は、小走りで私の下に戻ってくる。


「どういうこと……?空音が異世界って言った瞬間急に優しくなったけど」

「まあ教えてくれたんだしいいでしょー!結果おーらい!」

「さっきはビビってたくせに……」

 老人の態度に違和感を感じつつも、私たちは冒険者ギルドに向かうことにした。


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