悪役令嬢になって、ぴえん
彼女の最後は乙女ゲームのやり過ぎによる。幸せなのか不幸なのか、よくわからないけど。そして彼女は乙女ゲームの悪役令嬢に異世界転生。どうしてわかったって? なぜなら、いかにも悪役顔の女性であるから。ちなみに乙女ゲームの名前は、わたしモテまくり、である。
「ぴえん」
彼女は悪役令嬢になって、毎日ぴえんぴえん泣いていた。やってもいないメインヒロインへの嫌がらせ疑惑や浮気したしていない等々の断罪要素がたまっていくからである。
このままでは、断罪されてしまう!
「なんだよ、わたしが悪役令嬢だなんて? 何しても、毎日疑惑が更新されていく。メインヒロインが、ぴえんって、するのがイライラするわよ!」
それから、ダンスパーティーにて、ついに時は来た。断罪イベントである。
「オーホッホッ! わたしモテまくりだからって、嫌がらせや浮気してまで、どこまで神経が図太いのかしらねぇ!」
ちなみに、このセリフはメインヒロインのセリフである。
「断罪だよ!」
「そうだそうだ!」
彼女、悪役令嬢は果たしてこれまでなのだろうか?
「最後に言いたいことはないかしらねぇ?」
メインヒロインのセリフのあとに、彼女、悪役令嬢がこう言った。
「ぴえん」
すると、その場にいた人々が、なんと悪役令嬢のギャップ萌えとなった!
「かわいい!」
「断罪はやめにしよう」
「そうだそうだ!」
ダンスパーティーのその場にいるメインヒロイン以外はみんなが悪役令嬢のぴえんのギャップ萌えとなっている。
「はぁ!? あんたたち? この女を早く断罪なさい!」
「ぴえん」
すると、その場にいたみんながメインヒロインを連行していく。
「ちょっ! 離さんかい、ワレぇ!」
メインヒロインは、連行されて。
「大丈夫ですか?」
イケメンな王子が悪役令嬢に手を差しのべる。
「ぴえん怖かった」
「さあ、おいで!」
こうして、悪役令嬢はぴえんして断罪から逃れられた。あとはイケメンな王子との、甘い生活が待っている!
「ぴえん」
「アハハハハ」