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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン
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伝説の仲間たちとの再開

「きょうの参加者は誰かね。オブザーバーでふたりくらい参加しているだろうし」


 スターリング工業の代表取締役社長(プレジデント)は、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間──第1次世界対戦にて講和会議の場として使われた場所をモチーフにした、豪華絢爛(けんらん)な部屋に入る。

 その場にいた者の緊張の糸をルーシが握り、ふたりを除いて全員立ち上がった。


「定例幹部会の時間を始める。だがその前に、オブザーバー参加員の名前を聞きたい」


 焦げた赤毛の少年。

 20代後半と思われる黒髪の若手女子。

 赤毛のほうは、ルーシが現れてもあくびしながら立ち上がりもしなかったため、すこし興味がある。

 しかし先に発言したのは、若手の女子だった。


「それではあたしから。スターリング工業の傘下に入ったネクスト・ファミリーのマーベリックと申します。若輩者ですが、よろしくお願いいたします」

「ああ、私なんか10歳だ。若輩者どころかガキだから、リラックスしていけ」


 一礼し、マーベリックは椅子につく。

 片割れの少年は、ルーシをなめているのか、それとも天然なのか、そのボスである銀髪幼女に近づいて肩を叩いてきた。


「社長ォ!! 社長じゃねェか!! 近くで見りゃ分かるぜ社長!! 相変わらず怖ェけど、やっぱかっこいいぜ!!」

「馴れ馴れしいな、リヒト。……リヒト?」


 昔なじみの友人の名前をぼやいた頃には、ルーシもその正体になんとなく気がつく。


「そうだよ!! おれだよ、おれ!! 昔、スターリング工業の最高財務責任者やってたおれ! タイペイに頼んでこっちに来たんだ!! アイツいま守護天使って仕事してるらしいぜ!!」


 彼は相川(あいかわ)理人(リヒト)。かつて日本の裏社会を征服しようと苦楽をともにした盟友だ。基本的に日本の不良らしい喋り方していて、たしかあのときも髪を赤色に染めていた。

 そして、ルーシがリヒトにカネの動かし方を教え、案外要領の良い彼は前世におけるスターリング工業の財務責任を担っていた。


「……リヒト、懐かしいな」


 その銀髪の幼女は、感傷に浸るような顔つきになる。

 それを見て、訝らなかった者はマーベリックだけだった。


「リヒトくん、あたしなんか名前まで変わってるんだよ? まあ経路的に仕方ないけどさ」

「そうだった! 悪りィ、マーベリックちゃん!」


 ルーシは手を広げて、「なるほど。地獄から帰ってくる方法もあるんだな」ときょとんとした態度になる。


 マーベリックもまた、前世ルーシを支えた部下であり、盟友だ。


「……プレジデント、話がまったく分かりません」八千代がぼやく。

「大丈夫、私もだ」


「順を追って説明してくぜ──「リヒトくんが説明するとこじれるので、あたしが説明します。まず、あたしたちふたりとも死にました。他のメンバーも時間の問題だと思われます。それで地獄の体制転覆を企んでたところ、タイペイが──「アイツがおれらを転生させるって言ってきてよォ!! それでルーシを支えてくれって、ロスト・エンジェルスにやってきたんだわ!!」

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