伝説の仲間たちとの再開
「きょうの参加者は誰かね。オブザーバーでふたりくらい参加しているだろうし」
スターリング工業の代表取締役社長は、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間──第1次世界対戦にて講和会議の場として使われた場所をモチーフにした、豪華絢爛な部屋に入る。
その場にいた者の緊張の糸をルーシが握り、ふたりを除いて全員立ち上がった。
「定例幹部会の時間を始める。だがその前に、オブザーバー参加員の名前を聞きたい」
焦げた赤毛の少年。
20代後半と思われる黒髪の若手女子。
赤毛のほうは、ルーシが現れてもあくびしながら立ち上がりもしなかったため、すこし興味がある。
しかし先に発言したのは、若手の女子だった。
「それではあたしから。スターリング工業の傘下に入ったネクスト・ファミリーのマーベリックと申します。若輩者ですが、よろしくお願いいたします」
「ああ、私なんか10歳だ。若輩者どころかガキだから、リラックスしていけ」
一礼し、マーベリックは椅子につく。
片割れの少年は、ルーシをなめているのか、それとも天然なのか、そのボスである銀髪幼女に近づいて肩を叩いてきた。
「社長ォ!! 社長じゃねェか!! 近くで見りゃ分かるぜ社長!! 相変わらず怖ェけど、やっぱかっこいいぜ!!」
「馴れ馴れしいな、リヒト。……リヒト?」
昔なじみの友人の名前をぼやいた頃には、ルーシもその正体になんとなく気がつく。
「そうだよ!! おれだよ、おれ!! 昔、スターリング工業の最高財務責任者やってたおれ! タイペイに頼んでこっちに来たんだ!! アイツいま守護天使って仕事してるらしいぜ!!」
彼は相川理人。かつて日本の裏社会を征服しようと苦楽をともにした盟友だ。基本的に日本の不良らしい喋り方していて、たしかあのときも髪を赤色に染めていた。
そして、ルーシがリヒトにカネの動かし方を教え、案外要領の良い彼は前世におけるスターリング工業の財務責任を担っていた。
「……リヒト、懐かしいな」
その銀髪の幼女は、感傷に浸るような顔つきになる。
それを見て、訝らなかった者はマーベリックだけだった。
「リヒトくん、あたしなんか名前まで変わってるんだよ? まあ経路的に仕方ないけどさ」
「そうだった! 悪りィ、マーベリックちゃん!」
ルーシは手を広げて、「なるほど。地獄から帰ってくる方法もあるんだな」ときょとんとした態度になる。
マーベリックもまた、前世ルーシを支えた部下であり、盟友だ。
「……プレジデント、話がまったく分かりません」八千代がぼやく。
「大丈夫、私もだ」
「順を追って説明してくぜ──「リヒトくんが説明するとこじれるので、あたしが説明します。まず、あたしたちふたりとも死にました。他のメンバーも時間の問題だと思われます。それで地獄の体制転覆を企んでたところ、タイペイが──「アイツがおれらを転生させるって言ってきてよォ!! それでルーシを支えてくれって、ロスト・エンジェルスにやってきたんだわ!!」