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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン
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インターネットの果実、クーアノン

「笑い事じゃないんだけども……」


 そんな憔悴したアークを見て、童心に帰ったかのような笑い声をあげていたルーシ。

 だが、この街は大声をあげて笑っていられる場所でもない。

 矢先、ルーシとアークは立ち上がる。


「私が右を片付ける。オマエは左だな」

「了解」


 パーカーをかぶった、あからさまなギャングらしき者が10人ほど。空間移動を使ってこちらとの間合いを狭めたのだろう。左右できれいに5人ずつ割れていたので、色々とちょうど良い。


「てめェらメイド・イン・ヘブン学園のランクSだろ!? タタキの相手にはお誂え向きだよなぁ!?」

「あ?」ルーシは怪訝な顔をする。

「魔術師が大手振って街歩ける時代は、もう終わったんだよ!! 連邦の恥さらしども!! 顔面とプライド破壊してやるよ!!」


 いつの間にか、魔術師はロスト・エンジェルスの恥さらしに成り果てたらしく、動乱に気がついた者たちも助けようとはしてこない。

 あとでアークに異変を聞いてみることにして、ルーシは目を閉じ、碧い目を見せつける。

 刹那、魔力が開放された。男性特有の体液を発射するような感覚だ。

 そうすれば、あっけなくチンピラたちは地べたを這いつくばった。鈍い音とともに。

 

「顔面とプライド、破壊してやったぞ?」


 ルーシはニヤリと笑い、相手を侮蔑する。

 この世界における魔力は質量でも持っているのか、放射すると強力な攻撃手段になる。


「アーク、コイツら何者なんだ?」


 ルーシと同じく魔力の開放で敵を地面に押し付けたアーク。彼は首を横にぶんぶん振る。


「最近できた政党のシンパじゃない? ロスト・エンジェルスにいる魔術師は全員魔女で、即刻宗教裁判にかけて吊るすべきとか言ってる」

「それって極右(きょくう)? 極左(きょくさ)?」

「ある意味極右じゃない? 連邦の根幹を否定して、神様とかなんとか言ってるから」


 アークは退屈げな態度でそう言い放つ。


「ちくしょう……。魔術師がいるから戦争が起きるんだ。貴様らは罪人だ。神の名の下に罰せられるべきなんだよ──!!」


 制圧した男のひとりが拳銃を取り出そうとしたので、ルーシは脊髄反射的に彼の手を撃ち抜く。

 シンプルな黒のジーンズから取り出された女性用小型拳銃を見て、アークはやや面食らう。


「10歳の子が持ってちゃだめでしょ」

「例外だよ。その幼女が銃を持っていたら殺されなかった……なんて報道されたくねェだろ?」


 手に穴が空いて悲鳴を上げる男を後目に、ルーシたちは警察への通報をする。


「襲われました。ええ、青の公園です。クーアノン党の連中だと思われます」


 アークは手短に情報を伝達し、警察がやってくるまで待機することになった。


「拳銃、捨てたほうが良いんじゃない?」

「いや、そもそもサツと私は仲悪いんだ。先に撤退しておく。どうせアイツらなにも言ってこないはずだ」

「分かった。学校始まる頃、また会おう。ルーシ」

「あいよ。マイフレンド」

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