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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン
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21世紀最大の怪物→銀髪碧眼幼女

 この島はルーシのプライベートスポットだ。

 指を鳴らせば酒とタバコが差し出され、反目の粛清も順調に進んでいる。

 しかしもうじき一旦お別れだ。そろそろ()()()()()()()()がルーシを迎えに来る。戦闘機も10機ほど搭載済みだ。

 ちなみに飛行機を操縦できるのはルーシだけなので、ほとんどは飾りとして買ったものである。


「素晴らしい島だな。村長」

「まったくですな」

「本島への通行、打診しておくよ。それがほしいから私に協力したわけだしな」

「いえ、とんでもない……」

「嘘をつくな。私の前で嘘が通じると思うなよ?」


 ルーシはニヤリと笑い、ハンモックに寝転がりながら青色の酒をあおり。サングラス越しに空を眺めつつ、わざわざ麻薬栽培用の畑を利用させて作った葉巻を咥える。これを10歳程度の幼女がやっているのだから、いよいよこの世界の終幕は近いかもしれない。


「貴方は豪傑ですな」

「社交辞令として受け取っておこう。時代についていける老人は素敵だ。綺麗事を並べないからな」


 この島の人々は、未だロスト・エンジェルス本島へ行ったことがない。

 だから若者は大都会本島に憧れる。そして、男性老人の村長はビジネスチャンスとしてあの島を掴みたい。まさかこの歳になって自分を試せる機会が来るとも思っていなかっただろう。


「CEOは本島へ戻りなにをするつもりで?」

「学校ってヤツに行く」

「学校? 教育機関ですか?」

「ああ、こう見えても高校2年生なんだ。昼間は学生、夜は裏社会の大物。かっこいいだろ?」

「失礼ですが、CEOのご年齢で高校へは行けないのでは?」

「飛び級ってヤツだよ。去年入学したから、6年飛んでいることになるな。街に住む愚民どもは大騒ぎだ。100年に1度の天才だってよ」


 ケラケラとルーシは笑う。この幼女は時々壊れたピアノのように笑い声が止まらないときがあるのだ。


「私が天才か。おもしれェ評価をつけるものだ。バカと天才は紙一重だと言うが、どうやら私は暗にバカだと思われているらしい。愉快じゃあないか」

「愚民にそのような考えがあると?」

「ヒトの足引っ張る能力は高けェからな、ドイツもコイツも。村長も気をつけろよ? 正義に目覚めた他人様ほど厄介な存在はいねェぞ?」


 どうしても幼女が口にする言葉には聞こえないが、もう女子の声変わりすらしていない聖歌隊のような声にも慣れた。この幼女を額面通りに捉えることのほうがよほど厄介な考えだろう。


「そうします」

「結構。さて、反対派は徹底的に潰しておけよ? 分からねェようなら、親族もろとも殺せ。哀れな見せしめが自分たちに降り掛かってきていると錯覚させろ。錯覚は真実に変わっていくからな」


 葉巻を置き、あくびをしながら、ルーシは村長を背に去っていった。


「おお。1()8()()()()()()()()()()が存在して良いのかよ? ははッ……」


 隊員たちの敬礼とともに、ルーシは旗艦に乗った。

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