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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第四幕 共に過ごした時間が、すべて宝物だったと笑えるように
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貴方は私のお兄ちゃんっ!!(*)

「……死にたい」


 たぶんこの場で1番死にたいのはアークである。発破かけるために変態を悦ばせるなんて、おそらく100人中100人が腹を抱えて爆笑する。


「あ、アーク。もっとナジって……」

「……はぁ。……パンツびしょびしょにして気持ちよかった? だったら働いて。もっとなじられたいんならこの場収めないと」


 いますぐ鳥にでもなって空を飛び、この救いようのない生き物からもっとも遠い場所へ行きたい。それは天国か地獄か。神を信じたくなったのは初めてだ。


「ひゃ……ひゃい!! 働きます!! だからお兄ちゃんになって!!」


 ピアニッシモの壊れた笑い声とともに、アークは心底嫌そうな顔で頷く。


「……シエスタくんの援護、よろしく」


 このキャラ疲れる。アークは別にサディストではないし、焦がれた格好いい少女がスケベ心丸出しの顔でこちらを見てくるのは精神崩壊を起こしそうになる。


「キミはどこへ行くんだい? アークくん」

「そりゃ……あのふたりの注意を引きに」

「へえ。できるのかい? ロスト・エンジェルスでもっとも恐ろしい魔術師相手に」

「できるかできないかじゃなく、やらなきゃいけないんです。それが役割だから。……うん、そうであってほしい。変態イかせる仕事なんてしたくない」


 なぜかヒトの考えていることがわかってしまう。損な役割だ。アークはそういうヤツなのだ。


「んじゃ、頼みましたよ」


 魔力を足にこめて爆発させ、空を駆けていくアーク。

 ピアニッシモは笑いすぎて涙すら出てきていたが、こうなればキャメルとともに闘うしかない。


「ほら、目を覚ませキャメル」

「私だけのお兄ちゃん……。撫でられたい……。一緒にお風呂入りたい……。寝る前にキスを……。一緒にベッドへ入って、良い雰囲気になって……」

「……愉快なヤツだよ、キミは」


 とりあえずビンタして、目を覚まさせる。


「いったぁー……」

「良いか? シエスタが電気を溜めてる間、彼は無防備になる。つまりいろんなモノが飛んでくるわけだ。それを炎で壊せ……って意味合いだろうな。それもいいたくないほど、キミといるのが不愉快だってことだ、アークくんは」

「捨てられたくない……」

「じゃあ働け」

「はい……」


 アークとしても最終手段だったのだろう。性癖がねじれている人間の相手ほど嫌なものはない。幼児退行起こしながらマゾヒスティックに浸る幼なじみの相手したい者は限られる。

 そしてよほど性癖が壊れていなければ許すアークが、汚物を見る目になる程度には、拒絶反応しか起こされていないが、いわゆる恋は盲目というヤツだろう。


「さて……ふたりを精神操作で強化するか。援護なら私より優れた者も珍しいかもな」


 ピアニッシモは首を鳴らす。彼女はこの4人のなかで唯13年生の先輩だから、しっかりする必要がある。


「アネキ! どうした!? ニヤニヤ笑って、気味悪いぞ!?」

「ええ……私が妹になった記念日よ。気合い入れ直していくわ!!」


 ロスト・エンジェルスを守るもうひとつの闘いが進む。

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