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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第四幕 共に過ごした時間が、すべて宝物だったと笑えるように
80/290

なじられるとイッちゃう幼なじみ(*)

 それはもはや災害である。

 クール・レイノルズとジョン・プレイヤーの対決。もとい殺し合い。

 炎と矢のぶつかり合い。ぶつかることで揺れるロスト・エンジェルス。揺れれば地盤が弱まっていく本島。


「……どうやって止めるよ、アーク」


 アーク・ロイヤルとシエスタは、大真面目にそれを止めようとしていた。


「どうするもこうするもある? 当人たちに思い出させるしかないでしょ」

「なにを?」

「勝敗はじゃんけんで決めてくれって」

「は?」


 ふざけているのか真面目なのか。アークが真顔でそんなことを口走るものだから、シエスタは間抜けな声を出してしまった。


「あのふたりはじゃんけんが好き。100パーセント運ゲーだからね。それくらい運が絡むのを嫌うんだよ」

「初めて聞いたな。熱心なファンなの?」

「いや……キャメルの家行ってたらそれくらい覚える」

「オマエらって仲良いよな」

「どこが」吐き捨てた。

「仲良いだろ~。MIH1番のカップルだぜ?」


 アークは怪訝そうな顔をする。首をかしげて、最近話すようになったシエスタに疑念を抱く。別に幼なじみというわけでもないこの男が、ふたりの関係性を知っているわけがない。


「ま、おれを倒したオマエとオマエを倒したアネキならなんとかしてくれるだろ。ここにゃ、家族もホープもいるんだ。この島、死なせるわけにいかねェ」


 そう言ってシエスタは腕に電気を集め始めた。どうやら、瓦礫になっておらず電気が通っている場所から電流を集めているようだ。


「電磁の通うものをすべて行動不能にするものが電磁パルス、っていうらしいんだけども」


 アークは察した。


「それに近けェことはできるんだわ。そして集めた電力はぶっ放すこともできる。どう使うのが正解かね?」

「そうだね……」


 魔王にでもなりそうな魔力がクールとジョンに漂っている。これに電流を流したって、反射されておしまいだろう。


「あのふたりにぶつけよう。どうにか隙を作る。溜めておいて」

「了解」


 こつ然とするシエスタとは裏腹に、唖然としているのがキャメルとピアニッシモだ。


「キャメル、なにぼーっとしてるの?」

「……逆になんで貴方は止めようとしてるの?」

「止めなきゃ死ぬから。まだ死ぬには若いしね」

「本気になったお兄様とジョンくんなんて止められるわけが……そ、それに……」

「……はぁ、もう良いよ」


 アークは失望の眼差しをキャメルへ向ける。キャメルはなぜか顔を赤らめる。


「ぼくさ、わかったよ。キャメルは強い誰かに支配されてるほうが楽なんでしょ? クールくんがリードして首輪をつけてくれれば楽になるわけだ。それをぼくへ押し付けて、苦労なんて知らずに生きていたいと。……もう良いよ。こうなるとなに言っても悦ぶでしょ? ……変態」


 ピアニッシモはこの緊迫した場面のなか、思わず吹き出してしまった。


「アークくん! キャメルイっちゃってる(・・・・・・・)よ! はははっ!!」


 軽蔑の目つきでイっちゃうヤツに愛されているのだから、いよいよ女運はない。

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