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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第四幕 共に過ごした時間が、すべて宝物だったと笑えるように

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"暗黒街の花形"クール・レイノルズ

 クール・レイノルズは部下から聞いた情報に胸を踊らせていた。


「ジョンがオレたちをぶっ潰そうとしてるだァ!? 最高じゃねェか!! 骨のある野郎が出てくりゃ、それに越したことはねェ!!」


 まさしく戦闘狂のセリフである。しかしクールの人格を端的に伝えているセリフでもある。


「しかしアニキ、そのジョン・プレイヤーの居場所がわからねェんだ。こっちがあんまり動けねェこともわかってるはずなのに、あえて情報を流すつもりもねェみてーで」


「へッ、アイツらしいな。大丈夫。アイツがやることくらい、予測つく未来だ」


 *


 キャメル・レイノルズとピアニッシモはバルコニーでカフェラテを飲んでいた。

 キャメルはいまやMIH学園屈指のヒール役だ。アークのファンは存外多く、それらと会うたびに舌打ちされて石を投げ込まれる生活を過ごしていた。


「キャメル、落ち込むことはないだろ。あの試合はキミの勝ちだ。念願のランクSだぞ?」


 キャメルは物憂げな表情で、空を眺めるだけだった。


「まあ心無い連中も多い。自分の問題をアークへ押し付けるな……ってな」


 だからあえて煽ってみる。兎にも角にも、キャメルが納得しない限りには前にも進めない。


「……いまさら間違いでしたなんて認められるほど、ワタシも大人じゃないもので」

「その割には落ち込んでるじゃないか。やはり間違ってるとは思ってるのだろう?」

「……さあ」


 面倒な後輩だ。意地っ張りのくせに臆病で、男ひとりに人生そのものをかき回されて同時にかき回している。それがゆえ、ピアニッシモはキャメルの良き先輩をしているのだろう。


「ところで……シエスタと連絡してな。彼はアークとここまで来るらしい」


 キャメルの表情が豆てっぽうでも喰らったようなものになる。


「間違ったと思ってないのなら、会いたくないなんてこともないよな? キミたちは幼なじみじゃないか」

「ピアニッシモちゃんのそういうところ、大嫌いです」

「嫌われる者は大物なのでね」


 アークが向かってくる? どんな顔をして会えば良い? 

 キャメルは落ち着いていなように見せたいのか、顔色自体は緩んでいなかった。

 しかし気分が悪くなりそうなほどにカフェラテへ砂糖をいれているあたり、動揺しているのは火を見るより明らかだ。


「愉快な後輩だ、キミは」


 そうやってピアニッシモはキャメルで遊ぶが、そのころには野獣のような魔力が近づいているのも感じ取っていた。


「……ジョンくん?」


 キャメルは魔力を感じ取れないらしい。これだけ殺意を覚える魔力なんて、ピアニッシモも手を震わせながら砂糖をいれるほどなのに。


「おお!! 久しぶりだなキャメルちゃん!! 何年ぶりだ? ああ、まあ良いや。オレも人を待ってるんだ」

「人を……」


 客がざわめき出す。

 あのセブンスターだ。ロスト・エンジェルスでもっとも強い魔術師たちに与えられる称号セブンスターだ。しかもジョン・プレイヤー。セブンスターどころか、ロスト・エンジェルスでもっとも強い魔術師だと評価されるほどの男だ。

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