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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十一幕 最強の無法者が帰ってくる!! ヤァヤァヤァ!!
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親友(ライバル)

 キャメルの性欲は病気の部類に入る。きっと、ルーシが知らないところでも、アークは苦難を味わってきただろう。


「……それでも、キャメルに帰ってきてほしいけど」

「なんだ? オマエ、お姉ちゃんにビビりまくっていたじゃないか」

「今となれば、良いライバルだと思ってる」

「なるほど。オマエはお姉ちゃんに紙一重で負けたからな」

「そのときの借りも返したい。あと少しで壮麗祭が始まるから」


 壮麗祭。ルーシやメリットが通うMIH学園における、最大のイベント。魔術を使った武道会である。トーナメント式で行われ、決勝戦の日は祝日になるほど人気も高い。


「そうかい。もうそんな季節か」

「私やキャメルは3学年だから、大会形式で闘えるのも最後になるしね」

「去年はキャメルが優勝したんだよな。まぁ、半ばアークが譲ったようなものだけど」

「カマ野郎はセブン・スターズだから出ないし、正直アンタが出たらパワーバランスが壊れる。だから、私とキャメルとの対戦がメインディッシュでしょ」

「なんだよ。私が出ちゃまずいか?」

「評定金額10億メニー超えの、〝大魔術師〟が出るような大会じゃない」

「あぁ、そうかい」タバコを携帯灰皿へ捨てる。「しかし、壮麗祭なんてしている場合か? ガリアじゃ武人皇帝って連中が猛威を振るっているし、連邦の食料自給率や鉱物資源を鑑みたら、やはりなにかしらの対策を練るべきだろう」


 ロスト・エンジェルスの食料自給率は、20パーセントに満たない。天然資源は半年程度の戦争にしか耐えられない。クール曰く、今まではガリアからの輸入で食料自給率を保っていたらしいが、こんにちとなればそれも期待できない。


「それはアンタがなんとかして。愛と平和の守護神なんでしょ?」

「なんとかしているよ。エドモン・ダルジャンを逮捕しただろう」

「あれ、アンタがやったの?」

「正しくは、お父様クールとセブン・スターズのタイラーとともにやったな」

「あの3人掛かりで、ようやくひとり潰せるくらいの力関係……厄介この上ない」

「しかも、皇帝には兵隊もいる。エドモンはひとりで突撃してきたから交わせたが、正直ロスト・エンジェルスの平和を守るには、綱渡りしなくちゃいけないな」


 クールやタイラー曰く、武人皇帝はエドモンを除いて3人。これらを無力化、または排除しなくては、ロスト・エンジェルスはジリ貧だ。


「まぁ、ある程度作戦は考えている。まずは海外領土獲得の解禁だな。パンと民主主義を与える代わりに、資源をもらって本国で錬成する。ただ、リスキーでもある。数少ない燃料を使うわけだからな。それでも──」

「そんな話、私にして良いの?」

「オマエは盟友だからな」


 要領の得ない答えに、メリットは怪訝そうな表情になるが、気にせずルーシは部屋へ戻っていった。


「うわ、タバコくさっ」


 メントは鼻をつまんだ。


「しゃーないだろ。あれは私の酸素だ」ルーシは紅茶を飲み干す。「さて、君らとの再開は済んだ。そしてちょっと野暮用を思い出した。また会おう。メント、ホープ、メリット」

「良く分からんけど、あたしの部屋にヤニカスを部屋に置きたくないし、帰って良いぞ」

「薄情なヤツだな……。まぁ良いや。じゃあな」


 *


 クールのクレジットカードを使い、タクシーに乗ったルーシはスターリング証券の本社へと向かう。


「結局のところ、無法者には無法で立ち向かうほかないか」


 本社の置かれているイーストLTASは、相変わらず薬物依存者の集まりだ。末期的なスラム街。そんな街に不釣り合いな高層ビルがひとつ。それが、スターリング証券の本社である。


 ルーシは先ほど暗記した、リヒトの電話番号に電話をかけた。


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