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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十一幕 最強の無法者が帰ってくる!! ヤァヤァヤァ!!
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我が〝ホーミー〟たち

 薄情なセリフに聞こえるかもしれないが、実際パーラの一件はどうすることもできない。それは、メントやホープが一番良く分かっているはずだ。


 ビーッ、とドアが開く音が聞こえた。ルーシはやや俯きながら、メントの部屋へ向かっていく。


「よう」


 マンションの一室に入り、ルーシは緑髪で筋肉質な少女と、青髪で押せば折れそうな細い身体の少女との再開を果たす。


 早速タバコを取り出したルーシだったが、


「ウチ、禁煙。吸うんだったらベランダ行け」


 と言われてしまい、ルーシは仕方なくタバコをしまう。


「オマエら、あまり感激していないようだな」

「そりゃあ、あたしもホープもオマエが死ぬところ見たからな。それなのに、蘇ってるオマエに呆れてるだけさ」

「まぁな……」


 ダイニングテーブルの椅子にルーシは座る。


「で、私が死んでいる間色々あったようだな。パーラが植物状態。キャメルお姉ちゃんは記憶喪失。オマエらは無事だったのか?」

 ホープが言う。「無事じゃなかったら、ここにいないよ」

「言えているな。そういえば、メリットは?」

 メントが答える。「アイツ一応退院したはずだけど、連絡がとれないんだ」

「なんで?」

「噂だと、女性用風俗にドハマリしてるって」緑髪の少女は軽蔑的な表情になる。

「どういうこった」

 ホープは呆れているようだった。「うちにも返事返さないし、よっぽど風俗通いが楽しいんだろうね」

「アイツ、性格的に男へ誑かされるタイプでもないと思っていたけど」ここまで言っておいて、ルーシはひとつの答えを見つける。「あぁ、結局パーラと私を守れなかったから、現実逃避でもしているのか」


 メリットは律義者。そんな少女が守ろうとした者を守れなかったから、ストレスが溜まっているのだろう。


「んで、私の紅茶は?」

「今淹れるよ」メントは立ち上がった。

 ルーシはホープに向き直す。「なぁ、シエスタとはうまく行っているのかい?」

「ん、まぁまぁ」

「なるほど、倦怠期か」

「でも、なんだかんだ言ってシエスタといっしょにいると落ち着く。いつか結婚するんじゃないかな」

「オマエの口から、そんな言葉が出るとは驚きだ」

「だって、シエスタはうちのために尽くしてくれるもん。うちもシエスタに尽くしたいと思ってるし」

(結構なバカップルだな……。そういえば、メントとリヒトの馬鹿はどうなったんだ?)


 ルーシは一応メントに聞こえないように、ホープへ耳打ちする。


「(メントとリヒトっていう馬鹿は?)」

「仲良くやってるみたいだよ。未だに付き合ってないと思ってるみたいだけど。メントちゃんは」

「おいおい、なんの話?」

「オマエの彼氏の話だよ」

「え、誰のこと」

「リヒトだよ、私の〝ホーミー〟だ」

 顔を赤らめる。「リヒトが彼氏? え、まぁ、うん。そうなったら良いな」

「煮えきらないな……」ルーシは手を広げる。「つか、リヒトと話したい。確か、アイツMIH学園に編入したよな。あの馬鹿さで授業についていけているか気になるぜ」


 いつだか、メイド・イン・ヘブン学園ことMIH学園の裏ビジネスを確保するため、リヒトを入学させようとした。その後色々ありすぎて覚えていないが、おそらく彼はMIH学園の生徒になったはずだ。


「リヒトに電話かけようか?」

「そうしてくれ」


 メントはスマートフォンを取り出し、リヒトへ電話し始めた。


『どうした? メントちゃん』

「アンタと話したいヒトがいる。きっと驚くぜ」

『えーっ、誰だろ』


 ルーシはメントのスマホを借りる。そしてベランダに出て、タバコをくわえながら、


「よう」

『んん? …………社長ォ!? 社長生きていたンか!?』

「あぁ。なんだかんだ生きていた。つか、オマエらはニュースをしっかり見たほうが良い。スターリング工業はどうなった?」

『あぁ、スターリング証券に名前変えて色々やってるぜ!! 社長が失踪して、クールの大アニキも大統領だから、ポールモールのアニキといっしょに働き詰めだぜェ!!』


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