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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十一幕 最強の無法者が帰ってくる!! ヤァヤァヤァ!!
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死んだくらいじゃ死なない

 ゴールデンバットのぶっきらぼうな態度に、ルーシは全く臆することなく聞く。


「なぁ、ゴールデンバット。オマエってアジア圏出身?」

「アジア? あぁ、アス大陸方面か。そうだな、母方が帝ノ国出身だった」

「どうやってここまで流れ着いたんだい?」


 この世界における日本こと〝帝ノ国〟は、当然ながら極東に位置する。この時代、容易く行き来できる距離ではない。だから、何気なく気になって聞いてみた。


「流れ着いたっていうか、母がロスト・エンジェルス軍人の父と結婚したんだよ。海外領土と本国を行き来してるとき、小舟に乗った母が流れ着いたんだと」

「どういう状況だよ」

「さぁ。でもまぁ、そのあと父とアス系の母は結婚した。それで、おれが生まれてきたわけだ。さて、もう行くぞ。アーク」

「あっ、はい」


 結局要領を得た回答が引き出せたとは思えないが、ルーシはまたもや暇になってしまった。これならアークへ初手で友だちとの連絡先を聞いておけば良かった、と後悔する。


『ついで、ジョン・プレイヤー中将と(みね)少佐がおつきに』


 その通達が響いた頃、ルーシは怪訝な面持ちになった。


(峰って言ったら、ウチの最高財務責任者……。喧嘩もそれなりに強いはずだけど、座布団的にはポールのほうが格上じゃねェか?)


 かがみながら、ルーシはふたりの死角に入り込む。先ほどを繰り返すかのように、ルーシはふたりの背中を叩こうとしたが、


「なんだ、クールの娘か? やっぱり死んだくらいじゃ死なないか」


 近づいた途端、魔術かなにかでジョンはそう言い当てる。

 彼は振り向き、陽気な笑みを見せてきた。

 金髪のオールバック、金のヒゲ、黒いサングラスに強者特有の雰囲気。身長はクールとともに高身長の部類に入る。


「なぁ、峰少佐」


 黒人ながら名前は日本風であるが、なんでも自身の組織の先々代にもらった名前だという。スキンヘッドに、スーツ越しでも伝わる体格の良さ。身長もジョンやクールに負けていない。


「えぇ。もはや驚きません」

「驚いてくれよ。退屈じゃないか」

「では、我々は出席しなくてはならないので、失礼致します」


 かつてのボス相手に随分愛想がないものだ。まぁ、ジョンはともかく周りに他のセブン・スターズがいたら、色々面倒ではある。


「さて、もう行くか」


 他の出席者は『カルティエ・ロイヤル』と『クレーバー』と『タイラー』。タイラー以外は会っても仕方ない上に、つい数日前会ったばかり。なので、ルーシは今度こそ外へ出るのだった。


 クールがクレジットカードを貸してくれたので、金銭面での心配はいらない。ルーシは早速流しのタクシーを拾い、メントの自宅の住所を言った。


 やがてメントの自宅へたどり着いて、支払いを済ませて外へ出る。


「考えてみりゃ、メントの家くらいしか知らないんだよな」


 より正確にいえばパーラの家でもある。ふたりでカネを出し合って、このマンションを借りたらしい。当然、パーラとメントには実家があるのだが、パーラは両親がいなくて、メントはプロ野球選手との父子家庭なのだという。


 マンションの扉はオートロックがかかっていた。ルーシは部屋番号を打ち込む。


『宅配便だったら、そこのボックスに入れてください……ルーシ!? なんでオマエ、え、なんで? もしかして呪縛霊!? 嫌だー!! あたし、幽霊が一番怖いんだよ!!』

『メントちゃん、ニュース見てないの? うちも半信半疑だったけど、ほら。ルーシのKIA判定が消されてる』

「というわけだ。幽霊なんて無神論国家には似合わない。入れてくれ」


 どうやら、部屋内にはメントとホープがいるらしい。いつもの連中だ。


『……、オマエ。パーラがどうなったか知らないの?』

「知っているよ。ただ、今はどうすることもできない」


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