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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十一幕 最強の無法者が帰ってくる!! ヤァヤァヤァ!!
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新宣言

 ルーシ・スターリングは、なにもない空間で目を覚ました。


「この景色、懐かしいな」


 この真っ白でなにもない、死体安置所みたいな場所で、ルーシは倒れるように地べたへ座る。

 ここは、〝天界〟という場所だ。輪廻転生を待つ者が、その審判を待つところ。一度来たことがあるので、割と鮮明に覚えている。


「さて、今度は誰が出てくる?」


 銀の髪もすっかり伸びた。ロングヘアだとシャワーが面倒なので、ショートヘアにしていたが、こうなってしまうとまず髪を切りたいと感じる。


 と、少し脱線したことを考えていれば、


「おぉ、タイペイ」


 ルーシは知り合い、というか妹分が現れたことに喜ぶ。

 茶髪のふわふわしたロングヘア、アジア系、今更なにも思わないが絶世の美人だとヒトは口を揃えるようなタイペイは、開口一番、


「ルーシ、ロスト・エンジェルスに戻るつもりない?」


 ルーシはその言葉に、鼻で笑ってしまった。


「ロスト・エンジェルスに? 悪いけど、これでも死を受け入れたつもりだが」

「死はそんな軽くないよ」

「軽くない? なら、前世の〝おれ〟はなんだったんだ?」

「もうルーシは〝私〟だよ。男ではないよね」

「あぁ、そうかい」手を広げる。

「まぁ、気持ちも分かるよ。男らしさを求めるルーシにとって、幼女の身体は対局だからね。でもさ、もうそういう固定概念捨てちゃえば?」

「あァ?」

「〝安寧を求めるな、自由になれ、そうすれば世界は変わる。自分が望むように〟って言ったの、覚えてる?」

「おれのモットーだからな」

「安寧を求めず、自由を求めた結果がこれなら、甘んじて受け入れるべきじゃないの」

「なにが言いたい?」

「とりあえず、タバコ吸って落ち着けば良いんじゃね、ってこと」


 タイペイはどこかからタバコを発現させ、ルーシの手元にそれを落とした。しかしライターがない。


「ライターは?」

「魔術か超能力でつければ良いでしょ」

「まぁな……」


 指をパッチンと鳴らし、火を点ける。

 いつも通りの赤マル。変わらない味。

 煙を吐き出し、その幼女はタイペイに向き直す。


「だいたい、私はいないほうが良い。あの世界のバランスをぶっ壊しかねないからな。オマエだって言っただろ? 超能力世界の雄を魔術世界に連れて行ったら、あの、なんだっけ。ともかく、おつきの天使様が罰せられるほどだって」

「あの天使はどうでも良い。問題は、ルーシがいなくなったから歪んだ世界が更に歪んだこと。今のロスト・エンジェルス見てみる?」


 興味ない、と言おうとしたが、タイペイはお構いなしに脳内へ映像を流し込んできた。


『〝武人皇帝〟が世界を変革する!1 大統領を逮捕せよ!!』

『アーク少佐、〝武人皇帝〟がついに東欧帝国へも……!! ヤツら、武力で世界を征服するつもりです!!』

『もはや旧大陸は地獄絵図だ!! このままでは我が国の安全保障が脅かされる! 大統領、ガリア方面での軍事作戦のご決断を!!』

『我が国は……わずかな鉱物資源しか取れない。これでは、200年先を進む兵隊もブリキのオモチャだ』

『しかし、このままガリアが〝武人皇帝〟に呑み込まれれば、我が国は冬を越せません!!』


 ルーシは溜め息をつく。


「ゲルマニアの次はガリアかよ。ナポレオンが即位しただけなら、ロスト・エンジェルスに不利益はないだろうよ」

「もし、その〝武人皇帝〟がスオミ・アウローラ並みの危険思想の持ち主だったら?」

「……!!」顔を強張らせる。

「ロスト・エンジェルスはまともな農業を持たず、鉱物資源は海外領土を除けば10パーセントも賄えてない。そんな国とガリア帝国がまともに取引すると思う?」

「技術提供はあの国にとって自殺行為。かといって、絶賛戦争中の大陸が輸出してくれる穀物もしれている……」ルーシは息を吐き出す。「タイペイ、そんなにロスト・エンジェルスにいてほしいなら行ってやる。責任の一端は私にもありそうだしな」


 ルーシはそう宣言した。


この話を見て、あれ? と思った貴方はえらいっ 

再開しました。モチベが続く限り、やっていきたいと思います。

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