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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
252/290

フランマ・カメールス(*)

タイトルを挿入し忘れるという大ぽかしてました。すみません。

「──ぐはあッ!?」


 ノーバウンドで壁まで叩きつけられたD-スペックは、その小柄な少女に猛者の面影を覚える。

 ジョン・プレイヤー、スオミ・アウローラ、そしてクール・レイノルズのようなオーラが漂っているのである。

 だが、ここで撃墜されるほどD-スペックもヤワではない。瓦礫から立ち上がった彼は、不敵な笑みを浮かべ、即座に“見えざる手”でキャメルを掴もうとする。

 しかし、


「させるかよ!!」


 脳震盪まで起こしていたアーク・ロイヤルが立ち上がり、その“見えざる手”を構成する魔力を崩した。


「キャメル、さっきの技って……」

「ええ。お兄様に教わったのよ。自らの魔力だけでなく、魂をもまとわせる方法をね」


 キャメルはしてやった、という笑顔でアークと目を合わす。


「でも、いまのは不意をついたから直撃したみたい。油断は天敵よね」


 キャメルの言ったことは間違いでない。

 D-スペックはキャメルを侮っていた。それは彼の口ぶりからも明らかだ。


「厄介なのを連れてきやがって……。クール・レイノルズの妹か」


 だが、キャメルが危険な存在だと理解したいま、もうD-スペックに隙はないだろう。

 では、どうやって最年長のセブン・スターを攻略するか。


「……キャメル。その魂と魔力を混ぜた術式、あと何分で展開できる?」

「時間稼ぎするつもり?」

「いや……妙案を思いついた。ハイリスク・ハイリターンだけどね」


 一方、D-スペックもまた、ふたりを一掃する腹積もりだ。


「悪くねェ。だが、まだ足りねェぞ。ガキどもォ!!」


 彼は手始めに“カイザ・マギア”で魔力を集める。紫色のオーロラが舞う頃、スキンヘッドで身体の半分におびただしいタトゥーが入っている彼は、一瞬でキャメル・レイノルズに詰め寄る。


「──キャメル!!」


 アークは叫ぶ。キャメルは反応しきれていない。

 D-スペックの右腕には、質量を持つ魔力が漂っている。くらえば一撃であの世行きだ。これで邪魔な女が消える、とD-スペックは確信した。


 刹那、


(なんだ? 身体が動かねェ……。麻酔でもかけられたみてーだ)


 D-スペックは身体に違和感を覚える。身体が泥のように重たい。やがて彼は力なく地面に膝をついてしまった。

 そんなD-スペックへ、キャメルは最前のリプレイのごとく、ラクダのような現象を巻き起こした。それはD-スペックを呑み込むかのように、巨大化する。


「ぼくをもっと調べておくべきでしたね! D-スペック閣下!!」

「ッッッ!!」


 アークの煽りに、D-スペックは歯を思い切り噛みしめた。


「さあ、行くわよ!! 追撃!! フランマ・カメールス!!」


 なにが起きたのかわからないまま、D-スペックはキャメルのラクダに呑み込まれ、全身がケロイドになるほどの火傷を負った。

閲覧ありがとうございます。

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