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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
251/290

ゲルマニカ西部での闘い(*)

 帝都ゲルマニカ、壊滅状態。

 ロスト・エンジェルス連邦国防省には、そんな報せが届いていた。


「ゲルマニカが崩壊した!? あそこには、虎の子の“セブン・スター”アーク・ロイヤルを派遣しているはずだぞ!?」

「情報が錯綜しています!! 宇宙方面軍からの衛星映像も途切れていて、一部の情報筋によれば、“サテライト・ボンバ”が放たれたとも!!」


 司令部はようやく慌て始めた。軍集団並みの存在がひとり、それに匹敵する学生がもうひとり展開されている状況下なのに、現地との連絡がつかないからだ。

 されど、大統領にして最高司令官クール・レイノルズは、まったく狼狽えていなかった。


「おめェら、ビビりすぎだろ。アークとジョン、そしてルーシがいる場所に常識なんて通じねェよ」

「し、しかし、大統領!! ──って、ジョン・プレイヤー中将も現場にいるのですか!?」

「アイツは執念深いからな。スオミ・アウローラとD-スペックにやられっぱなしじゃ終われねェんだろ。それに……」


 本来は戦場に向かって暴れまわりたいクールは、それでもあの幼女を信じていた。


「ルーシが必ず戦況をひっくり返す。アイツはこのおれに勝った幼女だぞ? 負けることはおれが許さねェ」


 *


 ゲルマニカ西部、暗闇の中で。


「おいおい……化け物かよ、あのガキは」


 D-スペックは、地べたを這いつくばるアーク・ロイヤルを踏みつけながら、大雷鳴を眺めていた。


「こりゃオマエを殺しても意味がねェな。なあ、アーク・ロイヤル」

「…………」

(これが最年長のセブン・スター……! まったく歯が立たなかった。それでも──!!)


 頭を踏みつけられ、いままで培ってきた尊厳をへし折られたアークは、命乞いだけはしてたまるかと目を死なせない。


「つか、本気で生意気なガキだよな。オマエらって」

「オマエ、ら?」

「目ェ腐ってるのか? ほら、そこに立ってる元王族をちゃんと見てやれよ」


 18歳だというのに、10歳程度の幼女よりも背丈の低い少女。しかし、本人は低身長であることをまったく気にしていない。その理由は、自分の実力に絶対的な自信があるからだ。


「アーク、私を侮らないでよね。守られてばかりじゃ、強くてかっこいいキャメル・レイノルズには戻れないでしょ?」


 キャメルがそこにいた。いつもの蕩けた態度は消え失せ、ただ戦闘に立ち向かう“強くてかっこいい”幼なじみがいた。


「無理、だ……。キャメル。いますぐ逃げて──」


 アークの声を遮るように、キャメルはラクダの背後霊のような現象を発生させる。


「貴方は本当に優しいわね。でも、もう大丈夫。ルーシちゃんも貴方もメリットも……みんなで生きて帰りましょう」

「おいおい!! まさかおれに挑むつもりか!? 頭オカシイんじゃねェのか、元王族──!?」


「フランマ・カメールス!!」


 ラクダのような現象が、D-スペックに直撃した。アークがあれだけ挑んで敵わなかったD-スペックは、炎の塊の前に血を撒き散らしながら吹き飛ばされていく。


閲覧ありがとうございます。

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