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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
249/290

ノーハッピーエンド

3ヶ月振りですね。ぼちぼちシーズン3も終わらせたいですな。

「ッッッ!!」

「ルテニアッ!!」


 声を荒げたルーシは吐血する。その様を見て、スオミ・アウローラはケラケラ笑う。ざまあみろ、と言わんばかりに。


「うひゃひゃ!! こりゃおもしれえ。本当に魂を分けてるのか!! ならコイツを潰したらどうなるんでしょうね~☆ あぎゃひゃひゃひゃ!!」


 耳障りなほどに高笑いを飛ばすスオミなど目もくれず、ルーシはルテニアのもとに駆け寄ろうと足を無理やり動かす。いまのルテニアの身体は魂を抜かれたただの容器。そんなものを助けたところでなにも変わらない。だが、それでもルーシはフラフラと足を動かした。


「ああ、退屈な反応ばかりしやがってよ。オマエはあたしの夢の子だってのに……」


 そんなルーシに呆れ返るような態度を見せるスオミ。彼女は一瞬でルーシとの間合いを狭め、ルテニアもろとも始末してしまおうと拳を硬く握った。


 そんな絶望的状況下にて。


「……あ? 誰の魔力だい?」


 あと一歩でルーシを殺せたスオミは、背後に忍び寄る魔力に気がつく。まるで魔王のごとく、王を統べる王のような魔の力が漂っていた。


「てめえ……。ロスト・エンジェルスにとんずらかましたんじゃねえのか?」

「ンなわけねェだろ。やられっぱなしで終われねェよ」


 男性にしては長めの金髪。黒いサングラス。髭面。整った顔立ち。口調とは裏腹に破顔が止まらない男、ジョン・プレイヤーがそこにいた。


「ジョン・プレイヤー……?」

「そうだよん。おれァジョン・プレイヤー。ロスト・エンジェルスの平和を守る者だ」


 矢先、数千本に及ぶ白い矢が放たれた。それらは凄まじい加速とともにスオミへ直撃する。


「てめっ……。やめるならいまのうちだぞ!?」

「やめねェよ、バーカ☆」


 そして空気が振動するほどの大爆発が起きた。ルーシでもまともに攻撃を与えられなかった怪物スオミは、「うぎゃああああッ!!」という悲鳴を張り上げながら白目を剥ぐ。


「すごいな……。さすがクールのライバルってだけはある」


 状況が一変したのを確認し、ルーシはルテニアのもとへ駆け寄る。


「ルテニア、しっかりしろ。ジョン・プレイヤーが来た。生きて帰れるかもしれないぞ!」

「ははっ……、珍しく感情むき出しじゃないか。マスター」ルテニアはルーシの手を握り、「悪いが、もう助からんよ。このタンパク質の塊にしか過ぎない肉体も、貴方の魂の一部もまもなく消滅する。どうあがいても、私は助からない」


 ジョンとスオミによる大激戦が繰り広げられる頃、ひとりのヒトモドキの運命も決しつつあった。


「だが、貴方は絶対に生き残れる。私の魂を拾え。ルーシ・スターリングの復活だ。21世紀最大の怪物が復活するのだよ。だからきっと、スオミ・アウローラを打倒して……」

「違う……私が求めているものは21世紀最大の怪物なんて称号じゃない……。頼むから近くにいてくれ。もうひとりになるのは嫌だ。私は、おれは──」


 ルテニアは、「分かっているさ……」と言い残し、目を瞑った。

 結局、人殺しの外道、ルーシ・()()()()()()にハッピーエンドは訪れない。

閲覧ありがとうございます。

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