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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに

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ふたりの絆

 ルーシ・レイノルズ及び『セブン・スター』アーク・ロイヤルによる帝都ゲルマニカ占領作戦。その軍事作戦が行われる8時間ほど前。


「まあ、オマエは魔力も多いし意外と器用だからな。アーク」


 アークはかつて旧魔術のイロハを叩き込んでもらった師匠、ポールモールとロスト・エンジェルスで再開した。


「ありがとうございます。でも、残り2~3時間くらいでD-スペックにも通用する旧魔術を発現させられますかね?」

「為せば成る、って言葉を信じるしかないな。アーク、一応主要旧魔術をさらっておくぞ。時間的に旧魔術くらいしか取得できないだろうし」


「はい。“悪魔の片鱗”に“レクス・マギア”、性別的に使えないけど“レジーナ・マギア”。そして“カイザ・マギア”。大方使うことはできますが、それはD-スペックもいっしょ」アークはポールモールの目を見据え、「違うところは経験値の差ですよね。1年前までいじめられっ子だったぼくと、数十年間最前線で闘い続けてたロスト・エンジェルス最強の魔術師のひとり。正直言って……絶望しかないですよね」苦笑いを浮かべる。


「常識で考えれば、な。アーク、オマエはもう常識じゃ測れないところまで来てるだろ?」


 あのとき、意味不明な因縁をつけられて殴られ続け、夜になれば涙を押し殺して眠っていたアーク・ロイヤルはどこにもいない。ならば、ポールモールの言うように常識では推し量れない自身の実力を信じるほかない。


「よし、時間がねェのでコツだけ教えるぞ? 良いか──」


 *


 やはりポールモールは素晴らしい師匠だ、とアーク・ロイヤルは思う。数時間の修行の中でアークはだいぶ自信をつけていた。


「さて……。キャメル、離してもらおうか」


 とはいえ、引っ付き虫みたいに離れない幼なじみを剥がさないと彼女を危険な目に遭わせてしまう。というか、なんで幼なじみことキャメル・レイノルズはアークに抱きついて離れようとしない? この状況、理解しているのか?


「嫌よ……。貴方が死ぬくらいなら私もいっしょに死ぬ」

「だから死なないって何度も言ってるじゃん。ここで死ぬわけにはいかないんだよ」

「だったら私も戦場に連れてって。貴方、私を置いてD-スペックに挑むつもりでしょ?」

「そりゃカテゴリー(ファイブ)の評定金額2億4,000万メニーの学生を連れて行くわけにはいかないでしょ」

「だったらなんで私を連れてきたのよ!!」

「いや、キャメルもしかして健忘症? 君が勝手に船へ乗り込んだんだよね?」


 そう。キャメル・レイノルズのことはアークもルーシも招集していない。進めば必ず血みどろの戦場になる場所へろくな実戦経験もない学生を連れて行くほど、アークやルーシも馬鹿ではない。

 ただ、ついてきてしまったものは仕方ない。いますぐロスト・エンジェルス本土へ戻る方法がない以上、キャメルは有志連合と一蓮托生になってしまったのである。


「あとさぁ、いい加減ヒトの股触るの……やめてもらって良いかなぁ!?」


 自身の股間部分を揉むキャメルへ、ついにアークはキレた。もっとも、その怒号はキャメルを悦ばせるだけだったりする。


閲覧ありがとうございます。

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