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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
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おれたちは親子で姉弟

 そんな様子を呆然と眺めていたスターリング工業幹部たちたったが、やがてポールモールが言葉を発する。


「ルーシ……オマエ、『カイザ・マギア』で魂も奪えるようになったのか?」

「なんのことだよ……。チクショウ、胸糞悪いもの見た所為でバッテリーがだいぶ減っちまった。残り40分か……」


 他人から分けてもらった魔力が消滅した瞬間、ルーシはありとあらゆる行動ができなくなる。今回はポールモールとアークから魔力を抽出してもらったわけだが、その充電容量はすでに50パーセントを割っていた。


「ただ“死んだほうが良いヤツら”を採用した理由、思いだした気がするよ。コイツらが死んだところで誰も心が傷まないし、こうやって突撃してくれればスオミへの近道にもなる。ある意味私らしい方法だったんだな」


 実際、魂を抜かれたという者たちは皆、同じ方向に向かっている。彼らについていけば、おそらくスオミのもとへたどり着ける。スオミが異世界人であり魔力があるかも曖昧である以上、索敵の難易度が大幅に下がったことは大きい。


『それで? 完全復活したのか、姉弟?』

「そうだな……。神へのお祈りもエウロの話も後ですれば良い。いまやるべきことは、兎にも角にもスオミとD-スペックをぶちのめすことだ」

『なら“サテライト・ボンバ”は必要ねェか?』

「いや……ソイツは最終手段として取っておく。ヤツらはロスト・エンジェルスから大量破壊兵器を粗方略奪している以上、報復の弾が必要になる機会もあるかもしれない」

『そうならなきゃ良いけどな。ま……』


 ルーシが起こした起死回生の『カイザ・マギア』にまったく驚いていないクール・レイノルズは、いまだ驚愕のあまり声も出せない幹部たちの代わりに告げる。


『エウロって女がいたんだろ? ロスト・エンジェルスへ帰ってきたら話してくれよ。おれたちァ親子で姉弟(きょうだい)だろ?』


 ルーシは鼻でフッと笑い、

「それは死亡フラグってヤツだぜ? お父様……いや、姉弟」

 冗談を言い放つのだった。


 *


「ンだぁ、コイツら!? 意識失ったみてーに詰めてきやがって!!」


 スオミ・アウローラとルテニアの対決に横槍が乱入してきた。すでに満身創痍のルテニアは、ここが良い機会だと戦線から一旦離脱しようと黒い鷲の翼をなびかせる。


「まさかルーシがやりやがったのか!? ……あぎゃひゃひゃひゃ!! おもしれえなぁ、おい!! 異世界人のくせにこの世界の条理をよく理解してるじゃねえか!!」


 スオミは金の長髪をすくい上げ、いよいよ絶頂寸前のごとく顔を歪ませた。


「ディーの野郎も次期にアーク・ロイヤルと交戦するだろうし、すでにネイトはアイツの子分と闘ってる!! あははッ!! おもしれえ! 5年かけて組み上げたゲルマニア連邦帝国もおしまいだなぁ!!」

閲覧ありがとうございます。

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