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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
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ゴミムシ

 ゲルマニア連邦帝国、その面積はロスト・エンジェルスの5倍以上。これだけ広い国を一撃で滅亡させるというトンデモ兵器がいつでも使えるようになってしまったわけだ。


『無論、威力はかなり絞ってる。絞らねェと、オマエらもろとも焼き払っちまうからな』クールは一旦言葉を切り、『ただまあ、最終手段だ。いろんな意味でな。で、そっちはもう地獄絵図だろ?』

「ええ。市民たちは突如起きた大爆発の中逃げるのに必死。ルーシの私設軍隊もここぞとばかりに女をさらっています」

『そうか。やー、姉弟があんなクズどもを採用した理由が分かんねェんだよなぁ。“死んだほうが良いヤツら”たって、軍規すら守れないダニ虫どもなんて必要ないだろ──』


 この通信、ルーシにも届いている。自身の軍隊がなんの罪もない女をさらっている。そんな話も聞こえているわけだ。

 這いつくばってうわ言ばかり並べる幼女の目に、すこし覇気が点った。そしてルーシは右腕にまかれているスマートウォッチを視認し、その身体に見合った小さな声で言う。


「……、なあ。オマエら。私が一番嫌いな行為、知っているか?」

「ンだよ、藪から棒に」ポールモールは怪訝になる。

「男女問わず尊厳を辱め、あるいは自殺や自傷にも追い込む卑劣な行為、と言えば分かるだろう……?」


 瞬間、ポールモールを含む4人はルーシの魔力が膨張し始めていることを悟り、思わずたじろぐ。


「そりゃつまり、ウィンストンのガキにやったような……ルーシ。いや、オマエ、充電だって多くねェのに──」


 黒い曇り空みたいな現象がルーシの身体を包み込む。もう間に合わない、と察したポールモールたちは彼女の繰り出す『カイザ・マギア』の前に魔力と魂を抜かれないように身構えた。


 やがて、ルーシはその155センチ程度の身長に似合わない大声を張り上げた。


「おお!! 暇さえあれば誰かの尊厳を犯している外道ども!! ふたつにひとつの選択肢を与えよう!! 魔力をすべて私に譲渡するか、魂を抜かれてスオミのクソに特攻するか!!」


 ルーシの声は泣き叫ぶゲルマニカの市民たちへも届いていた。その美しい声色は、果たしてこの生き地獄すらも変えられるか。


「ひゃはぁ!! ゲルマニアの女は上物だぜ!!」

「おれたちァクズだ!! 分かったらクズの遺伝子を後生大切に育ててみろよ!! 母親とやらは偉大なんだろ!?」

「嫌がる女を手籠めにしたときより気分の良いことはねェ!! うひゃひゃ!!」


「やめてー!! 誰か、誰か助けて!!」

「私たちがなにをしたの!? こんな時代でも懸命に生きてきただけなのに!!」


 21時30分。まだ街灯などが存在せず、魔術による灯も消え、燃え盛る戦艦のみがゲルマニカを照らしている。


「うおおおおッ!!?」


 そんな状況下、ルーシは最後の警告を完全に無視した自身の私設軍隊『ピースキーパー』の外道から、魔力と魂を一瞬で奪い取った。


「ゴミ虫にはお似合いの末路だ。クソ野郎どもが」


 白目を剥いて泡を拭き始めた“ゴミ虫”どもは、意志を失ったかのごとくスオミ・アウローラのもとに突撃し始めた。

*ひがしやまは中学生のときレ◯プして捕まりそうだね~って笑顔で言われたことがあります。


閲覧ありがとうございます。

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