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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第十幕 やがていつか、みんなでいっしょに
238/290

メリットとネイト(*)

「まったく、姉さんにも困っちゃうよ。ゲルマニカの中央がめちゃくちゃじゃん」


 スオミの情婦と評された女ネイトは、見る影もなく崩壊した帝都ゲルマニカ中央で溜め息混じりだった。


「でもま、これで全員死んだでしょ。ジョン・プレイヤーが逃げおおせたのが不気味だけど、あの船に乗ってた連中でまともな戦力はルーシとアーク・ロイヤルくらい。ほかの有象無象と対峙しなくて良いのはラッキーだね☆」

「それはどうだか」


 ロスト・エンジェルスの戦闘服は頑丈であり、あれだけの大爆発を起こしても一切服が破損していない。

 黒い短髪、不気味な雰囲気、猫背、そんな少女が生き残るくらいには。


「ありゃ。生き残りいたんだ」

「まずい未来見えたから魔術でカバーした。ほかのヒトたちも全員死んでない。説明はそれくらいで良い?」

「良いよ~☆」


 会話など多くはいらない。敵が目の前にいる。ならば闘うほかない。

 先に仕掛けたのはメリットだった。彼女は“威力などが劣るが、ひとりひとつずつしか使えない新魔術と違い何百個でも覚えられる”という旧魔術を使い、ネイトへ向けて青い波動を放った。

 されど、この程度で揺らぐ相手でもない。故にこれは前哨戦みたいなものだ。


「旧魔術? ガキのくせしてよく使えるね~。偉い偉い☆」


 ネイトはメリットを煽り、自らに放たれた波動を右手で横に吹き飛ばす。


「でもさぁ、あれって色々複合させるから意味があるんじゃないの? 一発の威力じゃスキルというか新魔術には敵わねえし」

「そんなこと知らないと思ってるの? おめでたい頭」

「めでたい? そうだね~。きょうはとても良い日だよ。このクソみたいな都市が焼き払われ、スオミ姉さんがルーシをぶち殺し、ディーがアーク・ロイヤルを地獄の果てまで追い詰める。最高の日だよね~☆」

「……はあ」


 メリットは溜め息をつき、人差し指と中指をゆるやかに動かした。大量の瓦礫が意志を持ったかのごとく集結し、ゴーレムのように変化する。


「アンタにはこの都の価値すら分かんない。そんなのがNo.2やってる連中にクソガキが負けるわけない。カマ野郎も負けない。そして私はアンタを倒す。返事は?」

「あり得ないとだけ言っておくよ☆」


 泥人形に扮した鉄の人形は、そのまま真っすぐネイトを狙わなかった。真っ先に攻撃してこなかったことに気がついた頃には、それらはさらに巨大化していく。


「おお。ロスト・エンジェルスのヒューマノイドの完成形みたいだね。あれって人間並みの

 サイズが一番多いらしいけど、本来は軍事兵器として使うものなんでしょ? だったらこれくらいデカくないと成り立たないか」


 全長20メートルに迫る超巨大ゴーレムが、ネイトを叩き潰すべく動き始める。

 メリットとネイトの戦闘はこうして始まった。

躁鬱喜多方ラーメン希死観念マシマシ~


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