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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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大人は無敵ではない(*)

 ロスト・エンジェルス連邦国防軍司令部は大混乱の中、しかし想定してあった事態のひとつを終わらせるべく動いていた。

 戦闘状態から10時間が経過し、騙し討ちへの報復にしか過ぎなかった帝都に対するミサイル攻撃以外にも手段を整えつつある。


「ひでェ天気だ。それでも強制出撃かよ?」

「ロスト・エンジェルス連邦国防軍がまともに動員できるプロの軍人は10万人にも満たない上に、司令部は時間がないから早く特攻してこいと言わんばかりだ。……そんな楽じゃないんだよ、これだけの人員で750万人と70000万平方メートルを守り切るのは」


 突如の雷鳴の中、ずぶ濡れになりながら支度を整える軍人たちがいた。

 ある軍人の嘆きは、しかし連邦国防軍の本質をついていた。200年先の技術があろうと、宇宙からミサイルが尽きるまで空爆できようと、無人戦闘機や爆撃機でピンポイント爆撃が可能であろうとも、やはり人的資源はカツカツだ。


「そういうときこそセブン・スターだろ。ジョン・プレイヤー中将、アーク・ロイヤル少佐、タイラー少佐、ゴールデンバット大佐……」

「オマエ、正気か?」

「なんだよ、いきなり」

「アーク少佐はD-スペックの外道の不意打ちで1周間くらい意識不明だったって話だし、ゴールデンバット大佐やタイラー少佐はいま地球の裏側にいる。連絡つくのかも怪しいんだぜ?」

「否めねェな。そもそもハンターさんが行方不明だからひとつ枠が空いちまってるし」

「正直即座に帰投できないであろう5人中3人が本国へ戻ってくる頃には、この戦争は終わってる。アーク少佐を戦力に数えるのは酷だし、カルタゴ方面に出向いたジョン中将が戻って来られるかどうか……」


 決して負けるとは思えない。所詮飛行機も自前ではつくれない蛮族どもだ。それでも、勝負に必然などない。どんなに栄華を誇ろうと、この世は常に移り変わっている以上、それを維持できる確証なんて誰も持てない。


「ま、見方を変えればクール大統領の初陣とも言える。予算確保と給料アップのためにやってやろうぜ」

「軍人にできることなんてそれくらいだしなぁ」


 サウス・ロスト・エンジェルスに属す離島にて、ふたりの兵士は戦闘機の前で親指を立て合い、互いの健闘を祈る。


 *


 昼間、ロスト・エンジェルス本島。市民たちは各自家の補強を終え、薄く開いている窓から不安げに外を見つめていた。


「ママ、あれって……」

「──だめ!! 伏せて!!」


 非常事態において、たいていの子どもは案外冷静だ。大人が必ず守ってくれると信じているからだ。

 だが、音速の5倍といわれるミサイルなんて親の強さをもっても迎撃できるわけがない。大人だろうと子どもだろうと、ロスト・エンジェルスが誇る技術はヒトの命の価値を薄ら寒いほど軽くする。


 そして、次のニュースをもって、この一日はロスト・エンジェルスの市民にとって最悪の日となった。


『サウス・ロスト・エンジェルスにお住まいの皆様、身分を証明できるものを持ち携帯電話に送られたシェルターに避難してください。携行できる荷物はひとりひとつまでです。サウス・ロスト・エンジェルスにお住まいの皆様……』


軍隊でツッコまれても現代"風"で誤魔化していく予定です……


いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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