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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
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ゲルマニア連邦帝国より(*)

 ゲルマニア連邦帝国。異世界人スオミ・アウローラを中心に結成された中欧の大帝国である。武人皇帝として君臨するスオミは、自身の強力な実力とカリスマでゲルマニア諸国の中央集権化と統一に成功し、いまやその国力は大陸屈指の陸軍強国ガリアや世界中に大量の植民地を持つブリタニカに匹敵すると囁かれている。


「スオミ姉さん、ロスト・エンジェルスへの攻撃は概ね成功だってさ」


 金色のロングヘアに赤く吸い込まれそうな目を持つ武人皇帝スオミへ、彼女の副官ネイトはあっさりした態度で報告した。


「そうかい。ヤツらもたいしたことねえな」

「ね。まあ、まさか虎の子のセブン・スターに裏切られるとは思ってなかったんだろーけど」

「D-スペックの野郎はどうした?」

「必ず殺してやりてえヤツがいるんだってさ。いましがた爆撃した離島へ向かったよ」

「アイツが殺してえヤツ? ロスト・エンジェルスの誰かか?」

「みたいだよ。私の予想が正しければ、D-スペックが殺したいのは……アーク・ロイヤルとジョン・プレイヤーだろーね」

「ふたりともセブン・スターじゃねえか。アイツだけで潰せるのかよ?」

「さあ」


 スオミにはD-スペックという重大な同盟者がいる。彼はすでに事実上の宣戦布告を行ったロスト・エンジェルスの軍人魔術師の中の頂点に立つ男のひとり。すなわちセブン・スターである。


 しかし、懸念材料も多い。

 サッカーでもできそうなほど広々とした執務室にて、スオミは次の一手を考え込む。


「でも、D-スペックが引っ張ってきたロスト・エンジェルスの軍人はだいたい1万人。しかもアイツはあの国の最新兵器を片端から略奪した。核兵器から神経ガス、電磁パルスまでね。だからま、アイツと私らの兵隊、大量破壊兵器、そして姉さんがいれば勝てると踏んだんじゃない?」

「そりゃそうかもしれないが、ルーシがなんの動きを見せないのが不気味なんだよなぁ」

「あのガキ、姉さんの元奴隷なんだからビビってなにもできないんでしょ」

「いや……ルーシは必ずあたしを殺してえはずだ。過去の因縁をすべて追い払うために」


 なお、当然だがスオミたちはロスト・エンジェルスの公用語とは違う言語を話している。それが故、鎖に繋がれて熱病にかかったかのようにピクリとも動かないメントとパーラにはその会話の意味は分からない。


「わざわざ人質まで用意してやったんだ。こんな小便臭せえガキども、いますぐぶっ殺しても構わねえんだけど、そうしたらルーシもやる気なくなっちゃうだろ?」


 スオミはふたりを一瞥する。彼女たちは首をまっすぐ立てることもできないほど衰弱しているが、目つきだけは死んでいない。


「姉さん」

「なんだい?」

「なんでそんなにルーシと喧嘩したいの? ゲルマニア諸国を征服したのもD-スペックと手を組んだのもロスト・エンジェルスへ真っ向から戦争しようとしてるのも、全部姉さんがルーシと闘いたいからだよね? なぁぜなぁぜ?」


 スオミは犬歯が見えるほど口角をあげる。


「そりゃもちろん……あたしとタイマンで闘えるヤツなんてアイツくらいしかいないしなぁ」


CoD:MWⅢ早くやりたい~(PC勢)


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