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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
216/290

彼女面しないで(*)

 アーク・ロイヤルは浮世から離れた病院にいた。

 17歳の少年は頭痛を覚え、次に腕の痛み、極めつけに腹部をナイフで抉られたかのような感覚に悩まされている。


「死ななかっただけ成長したのかな」


 ただ意識はしっかりしている。もっとも、意識が飛んでいない分苦しみも倍ではある。そう思えば、隣で意識不明状態であるメリットがすこしばかり羨ましくもなる。


「誰がなにをしてるんだ? ルーシが? D-スペックが? それとも国そのものが?」


 いかんせん同級生であり実力者でもある女子生徒までもが重体になって担ぎ込まれたのだから、なにかしらの陰謀を疑うのが自然だ。

 しかし、誰がなにを目的になにを起こそうとしているかが分からない。これでは到底勝負にならないのだ。


「ちぃーす」


 そんなアークとメリットだけが放り込まれた病院室に、ふたつの人影が見えた。

 片方はアルビノの巨漢。もう片方は茶髪で低身長な美形幼なじみ。


「やあ」

「あれ? オマエのほうが先に意識取り戻したの?」

「なんの話?」


「おめェ、3日間くらいこの集中治療室に閉じ込められてたんだぞ? 一刻を争うからって面談もダメでさ」

「じゃあメリットさんも?」

「そうだな。“レイノルズちゃん”つーバケモン二匹相手して、良く死ななかったぜ」

「やっぱりMIH学園が襲われてたのか。……。キャメル、さっきからなにがしたいの? ヒトのゴミ箱見つめてさ」


 鼻を噛むように使ったティッシュがキャメルのポケットに収まった頃、彼女はこの場に戻ってくる。相当こなれた万引き犯だなぁ、と悪態をつきたくなるものの、キャメルの奇行はいまに始まったことでもない。


「なにもしてないわよ? アーク」

「白々しいね。恥の概念とかないの?」

「うわ!! アネキ、すげェ気味悪い笑顔浮かべてるぞ!?」


 キャメルは軽蔑される度に感じてしまう業深き性的嗜好を持つ。『我がマゾヒズム』とかいう怪文書をメッセージアプリで送ってきた幼なじみだ。常識と憧れを期待するのはやめておいたほうが良い。


「さて、と。情報交換しようか」

「アネキのことは放置で良いんかよ?」

()()()()してこなければなんでも良いよ……」

「お、おう……」


 この言葉に反応したのは、当然キャメル・レイノルズである。


「か、彼女ヅラ!? あ、アーク。私たち……付き合ってるわよね!?」


 キャメルは涙目になってアークの肩を掴んだ。

 身体中の至るところが激痛に悩まされるアークとしては、キャメルに肩を掴まれて振り回される行為もかなり命取りになる。


「そ、ういうところだよ……。全部自分の思い通りに行くと思ってるんだから」

「じゃあなにしたら付き合ってくれるのよ!?」

「ちょ、落ち着けふたりとも! アークはグロッキーだしアネキはビビりすぎ!」


 シエスタが仲裁に入り、なんとかふたりは引き剥がされる。

 アークもはっきり拒絶すれば良い。キャメルに関しては自身が“格好良かった”中学時代のうちに彼を捕まえなかった時点で勝ち目はないに等しい。なんと間抜けな関係であろうか。


またPV数がオカシクなってる……。

それはさておき、彼女ヅラってひどい言葉ですよね。


いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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