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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
215/290

なぜ怒られているか分かっていない小動物のように

久々更新ッ!!

 たしかにヘーラーはルーシを転生させた張本人だ。

 あのとき、メンヘラの処女だと罵られても彼女はしっかりルーシのことをロスト・エンジェルスへ移動させた。それ自体は揺るがない。

 が、問題はバックアップなんて素敵な代物をヘーラーが所有しているか、あるいは復活させることができるのか。

 そう、ルーシは記憶喪失しているため失念しているのだ。ヘーラーという女の軽率さ、愚かさを。


「なんで黙り込むんだよ? 転生を司るくらいの地位はあるんだろ? だったら情報管理もできているよな?」


 このままでは痛い目に遭う。ルーシからすれば彼女は現状唯一の希望だ。それが裏切られたとき、ヘーラーは苦しみぬくこととなる。何百回にも及ぶ殴打でこの銀髪幼女の強く理解しているのは彼女自身だからだ。


「……てめェ。まさかデータがありませんとか吐かさないよな?」


 碧い目が自然と殺気を帯びていく。この場から逃げ出す方法を探したほうが良い。そうだ。リヒトはなにをやっている? 


「ヘーラーちゃん。社長の前世、蘇らせてやれよ。どこにも情報がないなんて戯言通用せんぜ?」


 口調は穏やかで笑っているが、目つきは修羅のようだった。

 こちらも最前のコミカル態度を捨て去り、すっかりマフィアらしくなった。ルーシを切り抜けてもリヒトに殺される。というか、リヒトのほうが手加減しなさそうなので余計に危ない。


「ぁ。ぁ、うわぁあ……」

「どこぞの小動物みてーな声出すなよ。それともなんだ? バックアップデータを渡したらオマエに損があるとでも?」

「わぁぁぁ……」

「泣くんじゃねェッ!!」


 リヒトがヘーラーの胸ぐらを掴み、彼女に殴りかかろうとする。しかしその手をルーシが止め、ひとまず安全が確保された。


「よせ、リヒト」

「だって社長、この手の馬鹿は暴力以外で言うこと聞かないぜ?」

「いや、多分コイツは本当に知らないし持っていない。目つき見りゃ分かるだろ? なんで自分が怒られているのか分かっていない小動物のそれだ」

「社長がそう言うんなら……」


 そんな鉄火場を終わらせるためなのか、はたまた偶然か、ルーシの携帯電話が鳴った。


「誰だ? かけてくるな」

『ルーシ。ヘーラーとかいう馬鹿天使詰めても無駄だと思うぜ』

「ポールか……。良く分かったな」

『オマエの権限でそっちの防犯カメラが見られるんだよ。これDV疑惑で裁判所に持っていったら100パーセント負けるぜ?』

「直接手ェ下したのはリヒトだし、私のような幼女を逮捕するわけもないだろ」

『とまあ冗談はさておき、良い話がある。ボス』

「なんだ?」

『喉から手が出るほどほしいであろう記憶回路を復活させる方法がある』

「……!!」

『だったら早く出せ、って言いてェだろうが……そりゃその通りだ。ただまあ、準備にもそれなりの時間がかかったし、なにより何度も苦しい記憶を蘇らせるのは正しいこととも思えなくてな』


 ポールモールのセリフは意味深長であった。


 されど、ルーシは欲しいのだ。この世界の誰よりも、自分が。

復活じゃあああああああああああああああああああ!! 頑張るぞぉおおおおおおおおおおお!!


いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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