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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
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大陸に真の友人存在せず

 面倒そうな態度でルーシはつぶやく。しかしこの場を収める義務があるルーシは、空高く舞い上がって『カイザ・マギア』を発動した。


 回避方法は魔力による防御のみ。あるいは防御していたとしてもすべての魔力が奪われる可能性のある魔術。皇帝にひざまずくように倒れ込むから『皇帝の魔術(カイザ・マギア)』? 諸説あるらしいが、ともかくルーシはそれを作動させた。


 するとどうだろう。ほとんどすべての者がルーシに服従するように倒れ始め、やがてクスリが切れてしまったかのように地べたを這いつくばる。なんとも不条理な魔術である。


「あー。こちらルーシ。返事できる者は?」

『大丈夫よ……ルーシちゃん』

『オマエ、最初から使っておけよ……』

「キャメルお姉ちゃん、シエスタか。他は?」

『敬語使うべきなのかな? 先輩とはいえ見た目は10歳だし』

『おー。後輩か。敬語は好きにしろ』

『……。メントは?』

「ああ、たしかに生存確認ができないな。最後に交信したのは?」

『3分前に2階校舎の実験室にいるって……』

「分かった。確認してくる。アウト」


 シエスタの情報提供により、おそらくカイザ・マギアで魔力を抜かれてしまったのであろうメントと彼女と合流したはずのパーラを拾うのは容易になった。


「下は馬鹿どもが喧しいし、直接2階に行ってしまおうか……」


 そんなこんなで屋上を迂回し、2階の窓ガラスを割って中へ入った。


「まあ学生襲ってカネ稼ぎ、なんて考えるヤツが強いわけもないか」


 うずくまる者たちを時には踏みつけながら、ルーシは実験室へと向かっていく。その道中で携帯電話が鳴った。


「アーク・ロイヤル?」


 たしか眠たいほどに優しいヤツだった。当然、実力も充分。

 そんな少年からのラブ・コールに応えた。


『おォ!! てめェがルーシ・レイノルズかぁ!?』


 声質までは思い出せない。だが明らかな他人が出てきた。厄介な問題というものは重なるのだな、と感じながらルーシは、「そうだが?」と返事した。


『親父のクールに伝えろ!! てめェの示威行為の所為で選ばれた17歳のガキンチョはスオミとかいう外患にやられたってよォ!!』


「よほど私の父親が憎いようで。それくらい把握していないとでも?」


『強がれるのはガキの特権だなぁ!? このガキもそうだったんだ。『ぼくだけでなんとかします!!』と。ふざけてるのはてめェの実力だけだろうが……。国防はガキの遊びじゃねェんだぞ!?』


 いきなり怒号が飛んできた。どうやらヒステリックな一面があるらしい。


「で? 父にそれを伝えれば良いんだな? そうするよ」

『ご自慢の盟友じゃねェのか? オマエとこのガキは』

「他人との関わり方は時と場合で変わるだろ。大陸とロスト・エンジェルスのように」

『……!! てめェ、知っていたのか!?』


 武人皇帝スオミ・アウローラによる征服の果ては、『魔術と技術の国』を獲ることだ。彼女の考えは手に取るように分かる。それだけルーシとスオミは似たもの同士という証明でもある。


「狙いは分かっているんだよ、クソボケ。オマエが海外勢力と接触していることくらい把握済みだ」

まあ、これで終われば苦労しませんよね。

いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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