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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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煩悩勝るも姪思いVS説得力勝るも怖い思い (*)

 固唾を飲み込み、嫌な汗が垂れてくる。


「この子が生命活動を停止させれば、ルーシちゃんになにかしらの危害が加わるのよね?」


 地面に這いつくばるレイノルズちゃんはかろうじて生きていた。魔力が完全に消滅しておらず、魂も抜けていないからだ。

 だからメリットはこう考える。レイノルズちゃんをこのように無惨な状態にしたのはメリットである、とキャメルは嫌疑をかけているのではないかと。


「こ、これは」

「貴方がやったのかしら?」

「や、やってないよ……」

「本当に?」

「ほ、本当に……」


 メリットはキャメルの威圧の前に彼女から目を反らした。弁明しようにも、それを真実だと捉えるか欺瞞だと考えるかはキャメル次第。さらに言えば、あからさまに怯えているメリットにうまい説明などできるわけがない。


「そう……」


 このままだと仲間割れになる。キャメルはプライドが尋常でないほど高いが、同時に守るべきもののためならばどこまでも挑んでくるような性格のヤツだ。


 なので、もういっそのこと魔術を発動させようか迷った瞬間。


『こちらルーシ。18体のレイノルズちゃん活動停止確認。オーバー』


 ……いんちきじみた幼女からのラブ・コールが、メリットとキャメルの脳内に響いた。つまり、チャンスである。


「クソガキ、良い? その子たちの股に触れて」

『なんでだよ? 自分そっくりのクローンの股が濡れていたら、私がどれほど傷つくか分かるか?』

「とにかく急いで。股に触れればその子たちただの影武者に戻るから」

『分かったよ。んー。別に濡れているわけではないな。まあ、排尿機能も生殖機能もつけていないヤツらだったら当然か』

「あと、さっきはありがとう。圧されてるところ助けてくれて」

『オマエ、感謝とかしなさそうだと思っていたんだけどなあ』


 なお、この会話は有志連合すべてに届いている。

 メリットはレイノルズちゃんを粉々になる寸前まで追いやったのはルーシ本人であると証明し、彼女はクローンたちを完全に活動できなくする方法を知らなかったことも裏付けした。


 とりあえず危機は脱したはずだ。メリットは平然とした顔つきでキャメルを見据える。


「ごめんなさい! メリット!」


 と思ったらキャメルが素直な謝罪と頭を下げてきた。


「良いよ。それよりも主戦力であるレイノルズちゃんが2体残ってる。たぶんオリジナルのクソガキ見て逃げ出したんだろうけど……もしかして、ヤツらの狙いって──」


 瞬間的なひらめきであった。


 瞬発的に空中浮遊を可能にする旧魔術を使って、メリットは大急ぎで屋上へと向かう。

 ヘリが来ないと踏み、もっとも安全な場所だと信じて非戦闘員のスペースとなっていた屋上。

 だが、レイノルズちゃんは飛行能力を持っている。天空の覇者である大鷲のような翼を出すことができる。


「ヤバイ……。ここでお姫様でも刺されようものなら……」


 屋上にたどり着いたメリットは、凄惨な現場を目にした。

学園の元トップ(未だに学園内影響力衰えず)と陰キャ(直球)が1on1したらそらそうなるよ。

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