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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
204/290

勝利の条件

10話ごとにやっている(はず)の作者雑感はなしです。特に紹介したいキャラもいないので……。

「……? なんでここにオマエらが?」


 いつだか“娘”と呼んだルーシ型ヒューマノイド『レイノルズちゃん』たちが、階段から廊下まで吹っ飛んだルーシの元に現れた。


「マスターこそなんでここにいるんですか?」

「は?」

「あんな弱い攻撃で飛ばされたのなら、やはり貴方は私たちのマスターにふさわしくない」

「……。仕方ないだろ。こちらは魔術の使い方も思い出せないんだからさ」

「魔術? マスターの力の源は超能力のはずでは?」

「はあ? 超能力? もの浮かせたり波動放ったりするのかい?」

「それもできますよ」

「そうかい……」


 ルーシは立ち上がり、指をボキボキ鳴らす。そして近くに置いてあった机と椅子に触れた。それらは浮き上がり、どうも自由に操作できるようだった。


「へえ~。超能力を使えるのか、私は」

「というか、ここでくすぶっている場合ですか? 御学友のメリット様は別のレイノルズちゃんと交戦していますよ?」

「マジか。こりゃ急がないとな」


 どこか緊張感のない態度。実際、杖を使って一歩ずつゆっくりと歩みを進める姿から焦りは見受けられない。メリットの実力を信じているという意味合いもある。ただ一番は、この幼女の性格が起因となっていた。


「急ぐつもりないんですか?」

「急かされるのは性に合わないのさ」

「メリット様が如何に強者として知られていたとしても、マスターの強化クローン相手にサシで勝てるとは思いませんが」

「だったらオマエらが向かってやりゃ良いだろ。3人もいるんだから」ルーシはタバコまで咥え始め、「最終的に勝っていればそれで良い。オマエら、仮にも私のクローンやるんなら私の哲学くらい理解しておいたほうが良いぜ?」

「しかし……」

「なんだよ?」

「メリット様の魔力が吸われているようなので……」

「ああ、クソ。分かったよ」


 引き連れていたものはクローン3体と机と椅子。クローンを超高速で投げるのはよろしくない。というわけでルーシは、ふたつの学校部品を凄まじい速度で飛ばした。


「魔力の減りは?」

「逆に反旗を翻したレイノルズちゃんが、瀕死になったようです」

「箱入り娘ではいられないのさ……。私の娘だからな」


 ようやく戦場へたどり着いた。ちょうどよくタバコも吸い終わり、ルーシは吸い殻を携帯灰皿に捨てた。


「調子は?」

「……。アンタ、強化クローンなんて用意してたの?」

「たぶんな」


 メリットはだいぶやられたようだった。切り傷や青黒い腫れ、シャツやスカートからも激戦具合が伺える。


「でも倒してやっただろ? ああ。自分殺しだかなんだかうるさいから、死なない程度に抑えたぞ」


 メリットはルーシの手を借りて立ち上がる。

 スカートの脇ポケットから取り出された興奮剤を腕に突き刺し、『まだ終わっちゃいない』ことを知らせるように、ルーシの目を見据える。


「なんだよ?」

「下にまだ20体いる。アンタのクローンという性質上、なにも知らない生徒が不用意に近づいて攻撃されるかもしれない。分かったら……!!」


 瞬間、ルーシは風穴へ蹴り飛ばされた。続いてレイノルズちゃんたちも。


「さっさと働いてこんかい!! このクソガキどもぉ!!」


そりゃメリットも怒りたくなるわな

いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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