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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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202/290

MIH学園異常なし(*)

 MIH学園に対する暴動。その報せが届いたとき、アーク・ロイヤルは海外勤務から戻ってきたばかりであった。


「あの学校ってそんなに襲われてたっけ?」


 すくなくとも、OBのひとりでもあり同僚でもあるロスト・エンジェルス最強の魔術師ジョン・プレイヤーが首をかしげる程度には、不思議な話なのであろう。


「この前は後輩たちが暴れ、今回は市民たちがMIH学園を攻め落とそうとしてます。LTAS最高峰の学園の名が泣いてますよ。それで……出撃許可はいつ降りるのでしょうか?」


 アークは露骨に苛立っていた。本来ならばいますぐにでも学園を救うために動きたいのだが、連邦国防省からの許可が一向に出ない。

 それどころか、連邦国防軍の動きを鑑みるに、あの学校はいま公然と見捨てられている可能性すらある


「御上、というかクールがなに考えてるのかは知らねェけど、あそこへの攻撃が陽動だって可能性も充分に考えられる。セブン・スター3()()を本国まで引き換えさせるほどのなにかがあるのかもしれねェ」


 ジョンはそう言ってアークをなだめる。国防に対し重大な責任を負うようになって10年以上経った軍人の視野は広い。

 されど、まだ『ロスト・エンジェルス最強の魔術師集団』に成り上がってから半年も経過していないアークからすれば、その言葉は薄情なようにも思える。


「よう。若造ども」


 そんなふたりの元へ、ロスト・エンジェルスに戻ってきていた3人目のセブン・スターが現れる。

 顔におびただしい量のタトゥーを入れており、頭部をスキンヘッドにしている男。身体中へも痛々しいほどの刺青が入っていて、身長は190センチほどの巨漢。

 彼の名前はD(ディー)-スペック。セブン・スター歴はジョンより長いという。


「お疲れ様です、スペックさん」

「おめェが新入りのアーク・ロイヤルか」

「……ッ!?」


 瞬間、アークは首を締め付けられる感覚に陥る。

 ……いや、本当に締められているのだ。D-スペックによって。()()()()()()()によって。


「オマエ、元王族なんだってな」

「それが……どうしたんですか?」

「言わなきゃ分かんないか? なあ。最近の若けェヤツらは親切丁寧に説明してくれねェと分かんねェのか?」


 呼吸が苦しい。本気で殺意を向けられ、殺されそうになっている。パワー・ハラスメントにしてはずいぶん恐ろしいことをするものだ。


「あ? もしかしてこれくらいでピヨピヨしちゃう? セブン・スターの代紋も地に落ちたなぁ」


 D-スペックは失神寸前だったアークを見て満足げに笑い、見えざる手から少年を解放した。

 そして、その男は倒れ込んだアークの手を踏みつける。


「きれいな手ェしてるなぁ。ほら、貫禄つくようにちょっと汚してやるよ」


 バキッ!! と嫌な音が響いた。

 さすがに見かねたジョン・プレイヤーは、D-スペックの肩を叩く。


「ここらへんで勘弁してやってくださいよ、先輩」

「あ? おめェまでおれに指図するわけ?」

「指図で済んでるうちに、引いたほうが良いと思いますが?」

これくらい異常にも入りません

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