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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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200/290

〝人殺しの外道さん〟

 と、思っていたら、ホープが手を挙げた。彼女らしい申し訳無さそうな表情とともに。


「ルーシは……怖かったかな? 子どもなのに怖かった。あのときは自律神経が崩壊してたって側面もあるけど、仮にいまここで始めて会ったとしても怖さを覚えそう」


 青髪で顔の彫りがやや浅いホープは、実際本当にあったことを言っただけではある。むしろなぜ他の3人がルーシに恐怖心を抱かないのか不思議な程度には。

 だからきっと、ホープはどこまで行っても臆病者なのだろう。

 そんな彼女は続ける。


「でも、優しいところもあると思う。不良が犬助けて『実は良いヤツ』と言われるのとはまったく違う、本当の優しさが」


 ルーシは首をひねる。初対面で怖いと感じた相手に、優しいところがあるかもしれない? 不良が犬を助けてギャップで評価が上がっていくのとは違う優しさ? 


「……。まあ、総じて言えるのは、ルーシはダークヒーローみたいな存在?」

「ダークヒーロー!? めっちゃかっけえ!!」

「コイツにダークヒーロー? 似合わない……いや、ある意味似合ってるかも」

「でしょでしょメントちゃん!! ルーちゃんはダークヒーローなんだよ!!」

「んで? 記憶戻った?」

「残念だが、混乱し始めている。ここは第3位の力を借りるしかないな。なあ、メリット」


 パーラとメントとホープが『ルーシってダークヒーローでかっこいい!!』という話題で盛り上がっている中、ルーシはメリットに頼る。


 メリットは空を見上げながらタバコを咥えて、「……まあ、一番の古株だからね」とつぶやく。


「古株?」

「クソガキ、アンタは良く言ってた。『オマエは盟友だ』と。だからなんだよ、って思ってたけど、考えてみればアンタと私の付き合いは結構長いはず。あのとき、デパートでタバコ吸ってたこと覚えてる?」

「覚えていないな」

「そこに私がいた。お姫様と会う前にアンタは私と会ってた。まあ別にそれがなんだって話だけど」


 メリットはタバコを灰皿に捨てた。


「んで、印象ね。この学校にいるとき、たまたま外で出くわしたとき、そこにはいつも問題があった。だけど、なんやかんやでアンタが全部片付けた。死傷者をなかったことにしたことも、国を滅ぼそうとした天使を滅ぼしたのも。だからま、そこだけは誇って良いんじゃない? 人殺しの外道さん」


「私が人殺し?」

「いつもの詭弁なら反応する気ない。……? クソガキ、アンタ本当に殺しまくってたこと忘れたの?」


 ルーシの表情が安定しない。いつもは微笑みを浮かべ、闘うときは犬歯を見せるほどに笑い狂う幼女。

 だがいまのルーシの表情は、奈落の底にでも落ちて行ってしまったように、どんよりとしていて生気がない。


「私は人殺しだったのか?」


 返答次第では今後の運命を決める。ルーシはしっかりメリットの目を見据えて、彼女からの答えを待つ。


「…………。そうね。アンタはヒト殺し。だから笑うしかなかったんじゃないの? もう取り返しのつかないところまで虐殺してしまったから」

ダークヒーローではない気がしますけどね。

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