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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ
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持たざる者の会

 一方その頃、メリットとホープは自分たちの評価が変わってしまったことへ危険性を覚えているようだった。


「うちがMIH学園の第8位? カテゴリーⅤの6000万メニー? 胃が痛くなってきたよぉ……」


 高位の魔術師として選出されることは、必ずしも喜ばしいことばかりというわけではない。ホープは8人中8位だから、自分の評価に納得していない連中から襲われる可能性が一番高いのだ。


「……。キャメル越しちゃった」


 呆然とした表情のメリット。あのプライドだけで生きている陽キャ女子キャメルの、かつては主席だったキャメルよりも評定が高いとなれば、メンタルはそれなりに強いメリットも胃が痛くなる。


「ど、どうしよう、メリットちゃん」

「……。落ち着こう。たぶんクソガキと男日照り、お姫様は同じ教室で授業受けてるはずだから合流したほうが良い気がする」

「う、うん」


 ただし、この緊急事態から身を守る方法はある。それはルーシたちと派閥を立ち上げてしまうことだ。5人中4人がカテゴリーⅤ以上となれば、MIH学園へは大量にいる下剋上を狙う生徒たちへの防衛になるはずだ。


 そんなわけでメリットとホープはそそくさと教室を出ていき、ルーシたちと合流した。


「メリットちゃんすげえ!! ルーちゃんとアークくんの次に強いって評価なんだよ!? 私てっきりキャメルちゃんのほうが強いと思ってたからさ~! メリットちゃんも努力したんだね!!」


 マシンガントークを飛ばすパーラ。相手するのも面倒なのでメリットは、「そうかもね」と適当な返事だけしてルーシに語りかける。


「クソガキ、いますぐ私たちの派閥を立ち上げよう」

「ああ、メントも同じこと言っていたな。オマエまでそう言うのなら、立ち上げるほかないだろう」

「派閥名どうするの~? いつだか言ってたあれにする~?」

「いつだか言っていた?」


 パーラはきょとんとした表情になる。そういえば、ルーシは先ほどからあまり喋ろうとしない。意外なほどに勘の鋭い猫との獣娘は、ルーシの欺瞞(ぎまん)を見破った。


「ねー、ルーちゃん」

「なんだい?」

「私たちが最後デートした場所、覚えてる?」


 覚えているわけがないのだ。ルーシの記憶回路は曖昧なのだから。


 ここでホープがルーシとアイコンタクトする。もう白状してしまえよ、と。

 それを受け取ったルーシは、ついにパーラへ現状を暴露することにした。


「……。悪いな、パーラ。私は記憶回路が焼かれちまったみてーで、なんならオマエの性格も思い出せないんだ」


 それを訊いたパーラは柔和な笑みを浮かべる。メントとメリットがどこか落ち着きをなくしているのとは対照的だった。


「大丈夫だよ、ルーちゃん! 覚えてないことや忘れちゃったことはまた覚えてけば良いんだから!」


 そう言ってパーラは天使のような笑顔を見せる。落ち込んでいたルーシも、彼女のその優しさに甘えるほかない。


「んじゃ、持たざる者の会として派閥立ち上げましょう~!!」


久々です。時々更新できれば良いと思っています。

いつも閲覧・ブックマーク・評価・いいね・感想をしてくださりありがとうございます。この小説は皆様のご厚意によって続いております!!

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