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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第九幕 我らの祖国、ロスト・エンジェルスを守れ

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愛と平和の守護神が帰ってきた!?

 そこから先は一瞬の出来事だった。パーラがルーシに駆け寄り、ルーシは手を広げて彼女を歓迎する。

 いまどき恋愛ドラマでも見ないような熱いハグを見た観衆は、されどそのふたりが重ねてきた歴史を尊重し押し黙ることにした。


「会いたかった……。もう夢でも良いと思ってた……」

「夢じゃないさ。現実だよ」


 ルーシはパーラの頬をつねる。猫の獣娘は、「いたっ! なにするのさ!」と本物の猫のように喉を鳴らしながら満面の笑みを浮かべた。


「と、いうわけだ。私が帰ってきた」

「それだけかよ。ま、らしいといえばらしいけどな! ルーシ!」


 メントがそう言って笑う。このときだけは余計な探りを考えないでおこう、と彼女は思った。


「それにシエスタも帰ってきた。これでMIH学園に顔役が全員揃ったわけだ」


「シエスタくん! ルーちゃんもそうだけどどうやって生き返ったの!? ふたりともまったく目を覚ましそうにもなくて、病院へ行くたびに余計に落ち込んで……。だから気になる! ふたりが戻ってきてくれた理由!」


 目まぐるしく変わる表情と語気に車酔いへも似た感覚に陥りかけたが、パーラの疑問ももっともな話である。

 では、ルーシとシエスタはその説明ができるのであろうか。


「あー、意識がロスト・エンジェルスに引っ張られたような、そういう感覚だったな。医学的な根拠はまるでない」

「それよ。おれもなんで植物状態から戻ってこられたのかさっぱり分かんねェんだ」

「ま、愛と平和の守護神たる者、あの程度の攻撃でへたるわけにもいかんのさ」


 要領の得ない説明。実際、ルーシもシエスタもいつの間にか目を覚ましたのだから、うまいことは言えない。


「そ、そうなの?」

「そうでしょ。だってふたりとも杖ついてるんだよ?」


 ホープが指差す幼女とアルビノ巨漢少年の歩行杖。……というより松葉杖。おしゃれで持っているわけではない、歩行能力が衰えていることの証明だ。


「おれは数日で杖なくなるって言われたけどな~。ルーシはそうでもないんだべ?」

「気長に待つさ。私は君らより若いのでね」

「考えてみりゃ6歳年下だもんな~」


 間違っちゃいないが冗談でもあるルーシの口ぶりに真面目な態度で返事したシエスタ。どこかとぼけている、いやシエスタに関しては平常運転気味だが、ともかくこのふたりがMIH学園に戻ってきたのだ。


「さて、感動の再開も良いことだが、諸君らには単位という概念があるんだろう? ほら、早く教室行かないと幼女のほうが先卒業してしまうぞ」

「そうだった! やべ!! ルーちゃんまた後で!!」

「おれもやべェ!! 植物人間にも優しくねェかんなこの学校!!」


 シエスタとパーラは大急ぎで学校内へ向かっていく。パーラが見事な女の子走りでこけて、それを見たシエスタが彼女を助けようとするものの、杖ついていることを失念して倒れる。メントが、「コントじゃねえんだぞ?」と苦笑いを浮かべながらふたりを救いに行く頃、場にはルーシとホープが残されるわけだ。

ひさびさの更新です。モチベが上がりません、引退寸前で~す

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