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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第八幕 君は本当にルーシ・レイノルズ?

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秘密有りきの魅力

 ルーシは平然とした態度で答えた。どのみち記憶がないのだからその妹の顔すら思い出せないが、それでもきっとルーシへは妹がいたのだろう。最強の妹が。


「……。あっさり納得したね?」

「だってオマエが嘘つくような人間に見えねェもん。おれだって嘘つきと正直者の違いくらい分かる。それともなんだ? これを訊いておれが取り乱すとでも思っていたのかい?」

「アニメとかだと、取り乱すキャラが多い展開だしね」

「これが紛れもない現実である以上、アニメやゲームの話は通用しねェよ」


 ともかく、ルーシは動じなかった。豪快な反面繊細な一面も持ち合わせているとホープはルーシを評価していたが、やはり記憶を失ったことでなにかが変わったのだろう。


「まあ話は分かった。しかし神をも倒そうとするなんてやはりおれは偉大だな。自画自賛していたら人生終わってしまうくらいだ」

「その所為で、ルーシの記憶なくなってるんだけどね?」

「良いじゃねェか」ルーシは指をクルクル回し、「そのおかげで新しいことを覚えられる。物事考えようだ」


 ポジティヴを極めた哲学を吐露し、ルーシはレイノルズちゃんたちを見る。


「マスター。特定が終わりました」

「おお、お疲れちゃん。どれどれ……」


『イースト・ロスト・エンジェルス市:ナース・ストリート0117』


「これが住所?」

「そうです」

「よっしゃ。すこし行ってくるわ」


 ルーシはつかつかと病院服に杖をついたまま、あるレイノルズちゃんを探しに、基屈服させに出かけてしまった。


「なんでうちのためにルーシが動くんだろ」


 ホープのちょっとした、いやだいぶ深い疑問だ。記憶喪失になってホープとの友情もすっかり忘れたはずなのに、なぜか彼女はホープのために動いてくれる。ありがたい話だが、そういった話には裏があるのもつきものだからホープは訝るような表情で首をかしげるのだ。


 と思っていたら、パソコンやら携帯電話をしまったレイノルズちゃんたちのひとりがその疑問に答えた。


「私たちはマスターと貴方がご友人であることを知っていますが、それを伝えたわけでもないです。しかしマスターは直感で動くお方です。貴方を見て助けるに値する人物だと捉えたのでしょう」


「ね、ねえ」

「なんでしょうか?」


 この子たちルーシのヒューマノイドなのにちっとも笑みを見せないな、とすこし疑問に思いながら、ホープは彼女たちに率直な質問を投げかける。


「貴方たちって何者なの?」

「それは最重要機密ですので、マスターの許可がないとお話しできません」

「だろうね……」


 このレイノルズちゃんたち、何者なんだ? おそらくアークもメリットも正体を知らないはずだ。ただルーシの双子のように顔と体型が似通っていて、当たり前のようにそこへいる存在。


 ヒトは秘密のある者に惹かれると言うが、その秘密すら記憶から抹消されたはずのルーシはまたもや謎をつくっている。


「ただ……私たちを娘だと認めてくれたのはとても嬉しかったです」


 レイノルズちゃんたちは下を向きながら、すこし照れた表情でそう言った。

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