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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第八幕 君は本当にルーシ・レイノルズ?
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暴かれた過去

「そうだけども!」

「なら、この話に意味はあるのかい? アーク」


 ホープはぎょっとした表情でアークから目をそらした。この温厚篤実(おんこうとくじつ)な少年が声を荒げる場面を始めてみたからだ。加えてホープは男性の出す大きな声がとても苦手という一面もあるので、思いもよらずアークに怖さを覚えてしまった。


「……。ぼくは心配なだけだ。君のことが」

「オマエみてーな女っぽいヤツに心配されるほど、落ちぶれちゃいねェよ」

「だと良いけどね……」


 なにか失意でも覚えたのか、アークは消沈としてしまった。

 ルーシは首をかしげるが、結局その意味は分からない。


「あ、あの。そろそろお見舞いに来たヒトは帰らなきゃいけない時間ですよ」

「……。そうだね」


 アーク・ロイヤルは別れの挨拶もせずにこちら側へ背を向けて去っていってしまった。ますますルーシは訝るような顔色になる。


「なあ。なんでアークはあんなにキレているんだ?」

「ルーシのことが心配なんだよ」

「そりゃ分かるけど、過保護過ぎやしねェか?」

「あのとき、あの場所にいなかった自責の念がアークくんを苦しめてるんだと思う。うちは」

「あの場所?」

「ルーシが奇跡の末に死んだ場所に」

「なあ、オマエら話を濁しすぎだよ。奇跡やら乱用やら言って。おれが一体なにを起こしたっていうんだい?」


 ホープは、「そ、それは……」と言いにくそうに口をモゴモゴ動かす。


「言えねェことはねェだろ。なにがあったんだよ」

「……。本当に訊きたいの?」

「訊きたいね」

「後悔しても知らないよ?」

「後悔するのなら、復活もしなかっただろ」


 ホープはあのとき、あの場所にいた。だから説明できる。第三者目線にはなるが、ルーシがそもそも記憶を失っている以上その説明だけでも充分だろう。


「……あのとき、ルーシは神にもっとも近い天使と闘ってた」

「神? そりゃすげェな」

「上空で闘ってたから詳細は見えなかったけど、やがてルーシは見てるだけで痛くなってくるくらいの傷口とともに落下してきたんだよ」

「つまりおれが負けたと?」

「でもその天使も消えた。だからルーシが勝ったんだと思う。肝心なのはそこからだよ」ホープは胃がキリキリする感覚に襲われながら、「……。天使らしき者が来て、彼女はこう言った。『奇跡の乱用は、私にとってたったひとりのお兄ちゃんすら奪う』って」


 その間、ルーシはずっと首をかしげたままだった。たったひとりのお兄ちゃん? ならばソイツは妹なのかもしれないが、いかんせんその記憶すらない。異世界で妹をつくった? いや、直感だが前の世界にいたときその少女もいたはずだ。


「うーむ。頭がこんがらがるな。おれに妹がいたと?」

「たぶんだけどね。それにこうも言ってた。『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』って」

「ふーん。そこまで言い当てるのならソイツはおれの妹だな」


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