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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第八幕 君は本当にルーシ・レイノルズ?

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人間には限度がある

「マスター。いま世界には“武人皇帝”と呼ばれる者たちが増えています。暴力によってエウロパ大陸やアス大陸といった旧大陸を征服した連中がいるのです」


 ルーシは楽しそうな声色で、「マジィ!? おれの許可も取らずに皇帝名乗っている連中がいるのかい!? だったらソイツらを打ちのめさねェとな!!」と子どもみたいな(見た目は幼女だが)ことを言い始める。


「寒い日にはココアに限る……ん? なんでルーシはそんなに楽しそうなの?」

「“武人皇帝”とやらをぶっ殺す夢が生まれたんだよ!! よーし、世界征服しちゃうぞ!!」


 アークはココアをすこしだけ飲み、溜め息をつく。やがて少年は幼女へ警告めいた態度で言う。


「悪いことは言わないから、やめておいたほうが良い」

「あ? なんで?」

「アイツらと闘うってことはこの国を出る気なんでしょ? なら、すくなくともいまは駄目だ。ロスト・エンジェルスの医療のおかげで首の皮一枚繋がってるのに、その保護を受けられなくなるから」

「ちェッ! 眠てェこと言うよな~、コイツ!」

「しかしマスター。恐れ入りますが、アーク氏の言う通りだと私たちは思います」

「オマエらもそう思うの?」

「はい。恐縮ですが」

「ならやめておこうかな~。いまのところは」


 このルーシは往年のルーシではない。杖がなければ歩けないし、精神構造もどこか幼児に戻っている。いろんな意味で危険な存在であることには変わりないが。

 それが故か、ルーシはいかにも拗ねていますよ感を出しながらどこかへ行ってしまった。


「マスター?」

「タバコでも吸いに行くんじゃない? 病院内全面禁煙だし」


 ただ彼女にできることは知れている。アークはどうせルーシが屋上にでも行って無理やり施錠してタバコに巻かれに行ったのだろうと大した心配もしない。


 *


「なんだよアイツら。大人みてーに物事へ限界を決めやがって。おれができるって言ったらできるんだよ。できなきゃできるまでやるんだよ。チクショウ」


 完全に拗ねているルーシは、アークの予想通り屋上の扉を吹き飛ばしてそこでタバコを咥えていた。


「あー、チクショウ。寒いぜ……」


 病院服で氷点下を乗り越えようとする愚か者はいない。されどアークたちのもとへ戻りたくないルーシはやせ我慢しながらタバコに巻かれる。


「……。ルーシ?」

「あ?」


 振り返ってみると、そこには青髪で顔の彫りがやや浅い少女がいた。背丈もルーシよりやや高い程度で、服装もルーシと一緒だが非常に華奢だ。


「誰だ? オマエ」

「ルーシが起こした奇跡を、その乱用をただ眺めるしかなかった無能だよ」

「おれが奇跡を起こした? しかも乱用した? 悪りィが記憶喪失状態なんだ。さっぱり分からねェ」


 青いミディアムヘアの少女はルーシの隣に立った。


「だろうね。でも良かったんじゃない? あのまま行けばルーシは間違いなくどこかで破滅してたから」

「そうかい。人間には限度があるからな」

「……。うちの彼氏にだって限度があるはずなのにね」

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