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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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天王山

 ジョン・プレイヤーとゴールデンバットというふたりの異次元魔術師が闘う中、メリットはルーシを匿っていた。匿わないとあの守護天使(?)がルーシを殺しに来るのだ。


「電池が切れたように寝て……。寝顔だけは可愛い」


 一方ホープ。彼女はメリットとさほど離れていない距離にいた。だが心ここにあらずといった感じで、やはりシエスタのことが気になるようであった。


「本当に死んでないのかな……」


 心配のひとつやふたつしたって罪ではない。それに、なぜシエスタはあんな態度で挑んだのか。負けると分かっていながら、それでもルーシを助けることに意味なんてあったのか。


「でも、ルーシはあのときNLAの危機を救ったんだよね……」


 ルーシはなにか奇跡を起こしてくれるような気がする、と感じる。いまはなぜかうんともすんとも言わずに眠っているが、されどこの状況から捲れるのはルーシだけなのかもしれない。


「そう。このクソガキはすべてを見透かしてる。だから勝利は私たちがもらったようなもん」

「そうだと良いけど……」


 瞬間、音が破裂した。

 メリットは旧魔術で壁をつくり、なんとかオブジェクトの破片が飛んでくるのを交わした。

 しかし、その余波はあまりにも残酷なものだった。


「……!! ゴールデンバットさんが……!!」


 音の破裂とともにゴールデンバットがこちら側に吹き飛ばされてきたのだ。メリットは慌てないように努め、しかし確実に慌てながら治療術式を彼に放とうとする。


「よォ……嬢ちゃんたち……ここァLTASで1番危険な場所みたいだぜ……!?」

「……知ってます。でも、逃げるわけにもいかない」


 メリットは確固たる意志のもとそう言った。


「危険なのに逃げられねェのは人間くらいなモンだ……。ああ、嬢ちゃん……治療はしなくて良い。どうやらおれは足手まといのようだからよ」


 セブン・スターズが『足手まとい』になる地獄。ただちに避難すべきなのは間違いない。

 その一方、ジョン・プレイヤーのやかましいほどの笑い声も聴こえてきた。


「ジョンさんはクレイジーだろ……? あのヒト、強ェー敵が現れれば現れるほど笑うんだ。おれには無理だ。どこかでビビっちまう」

「それが普通ですよ……」ホープはそう言う。

「……かもな。さて、と」


 ゴールデンバットは折れた脚を魔力で再生させ無理やり立ち上がり、いつだか話したルーシがいることを知る。


「このガキ、クールさんの娘なんだろ?」

「そうです」メリットが答える。

「希望を託すには充分だ。情報筋によりゃ、この子は魔力のみで身体を動かせるデバイスをつけてるらしいし、おれの全魔力を分けてやる」

「……え?」

「正直に言おう。ジョンさんでもあの化け物には勝てない。あれは『悪魔の片鱗』をまとった攻撃すら『反射』してしまう。ジョンさんの魔力でようやくある程度攻撃が通るレベルだ」

「……守護天使なんじゃないんですか?」


 セブン・スターズになれる基準は守護天使相手に単体で勝てるというものもある。だから、メリットは怪訝な顔になる。


「……おれの考えが正しけりゃ、あの守護天使はいまもっとも神の座に近い」


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