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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ
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前代未聞の国盗りへ(*)

 クール・レイノルズはスターリング工業No.2として、ルーシの命令を待たずに行動を開始した。


「おめェら。国盗りは最終局面だ……あとすこしでこの国は新たな進化を遂げる!! 時代をつかんでやろうぜ!!」


 ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を再現した会議室にて、クールは宣言した。即座にポールモールが立ち上がり、強欲な宣言を裏打ちしていく。


「スターリング工業はいまから30分前、守護天使クイン・ウォーカーと交戦状態に入った。我々のボスが敵性と巡り合ってしまったからだ。さらに言えば、ルーシはすでに意識不明。致命的な失敗を踏んでしまったわけだな。だが、NLAにはジョン・プレイヤーとゴールデンバットが展開された」


 ドローンの軍団が現在のNLAを撮影し、スターリング工業まで情報を届けている。ポールモールの言ったことは正しい。


「時間稼ぎには充分すぎる連中だが、同時にこれではヤツらがクイン・ウォーカーを破ってしまう可能性がある。このキャンペーンの成功条件は、ルーシがクイン・ウォーカーを撃破することだ。それ以外の未来は破滅的な失敗と捉えろ」

「質問です」マーベリックが手を挙げる。

「なんだ?」

「ルーシさんが現状動けないのなら、私たちがのんびり作戦会議してる余裕なんてないんじゃないでしょうか? すでに魔力を供給できる者を派遣してるんですか? それともなにか代替案があるんですか?」

「ある」一言だけだった。

「分かりました」

「分かりますのかよ、みく……マーベリックちゃん」


 リヒトも参加しているわけだが、彼には作戦の全貌が伝わっていない。説明しても理解できないだろう、とルーシが思ったらしい。


「さて、おしゃべりはここまでだ。ルーシのためにすべての憂いを絶つぞ、タイペイ」

「うん。行こっか」

「峰と八千代は地下に潜ってるから、オマエらはおれといっしょに来い」

「あのお二方はなにしてるんですか?」マーベリックが訊く。

「いちいち説明しなきゃ駄目か?」


 ポールモールはマーベリックを睨む。

 だが、マーベリックもまるで怯んでいない。


「駄目ですね」


「……ずいぶん強気じゃねェか」ニヤリと笑い、「良いか? 峰はLTASに潜んでるスパイどもの逮捕に向けて連邦保安と掛け合ってる。八千代は自軍の『ピースキーパー』の総長だ。ルーシの遺伝子からつくったヒトモドキ使って、大統領逮捕に動いてるところだな」

「やばッ! ロスト・エンジェルス征服事業じゃん!」リヒトは驚愕する。

「ああ、時代を手にするのはおれたちだからな」


 裏社会に潜む怪物たちが、ついに表社会をも飲み込もうとしている。

 際限ない野望の果てをつかむべく、スターリング工業の社員たちが動き出す。


「よし、おめェら。おれたちァ全員ルーシのために動くが、逆もまた然りだ。ルーシは絶対におれたちのために動く。互いを絶対的に信用し合って、堅実な勝利を掴み取ろうぜ」


 スターリング工業が動き始める。前代未聞の国盗りに向けて。


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