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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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"守護天使"クイン・ウォーカー

 突如としてロスト・エンジェルスに出没した巨大天使。

 彼女はなにもしゃべらない。なにかを待っているかのように。

 そんな態度を見て、ルーシ・スターリングは軽い舌打ちをする。


「舐められたものだな。私が攻撃するのを黙って待っているわけだ」

「テレパスで会話でもしてるの?」


 隣にいたメリットは怪訝そうな顔をする。


「いいや……直感ってヤツだよ。さて、仕掛けてやろうか」


 出し惜しむものはなにもない。ルーシは手に『悪魔の片鱗』をまとわせ、腕を人面鳥のごとく翼へ変怪させていく。そして銀髪の幼女は羽ばたき、手始めに羽根でその天使を貫く。

 だが、まるで効いていない。像に蚊が挑んだところで勝ち目などないからだ。それどころか、ルーシの黒い鷲の翼がへし折れ、幼女は地面に落下していく。


「ッてェな……」


 その巨大天使クイン・ウォーカーは、ニヤリと笑った。


「ヒトの子よ。まさかその程度で私に挑んだのか?」


 その煽りを聞いたルーシは、やはりニヒルな笑みを浮かべる。


「ンなわけねェだろうが。勝ち目のない戦争するほど馬鹿じゃねェんだよ、こちらは」

「ならばどうやって私に攻撃を加えるつもりだ?」

「そうだなあ……。こういうのはどうだ?」


 ルーシは手を挙げる。それを見たメリットは彼女がなにをしようとしているのか知り、『悪魔の片鱗』で自身の魔力を抜き取られないようにガード体勢に入った。


「カイザ・マギアか」

「ノース・ロスト・エンジェルス200万人の魔力がぶつかれば、オマエはどんな吠え面かいて懇願するんだろうな?」

「ああ……まったく同じ言葉を返そうか」


 刹那、余裕たっぷりに笑っていたルーシの表情が覆される。


(魔力が吸収されねェ!?)

「ヒトの子よ。カイザ・マギアはその者にひれ伏した魔術師たちが差し出すものだ。私と貴様、果たしてこの国の民はどちらにひざまずくと思うか」


 膨大な魔力がクイン・ウォーカーの掌に収まる。そしてそれは慈悲もなくルーシへ発射された。


 ……だが、ルーシは寸のところで質量を持つ魔力を防御していた。

 ルーシの能力、超能力は『存在しない現象・法則を操る』というものだ。そこには無限大の可能性が秘められている。たとえば確実に魔力を防ぐ法則を生み出し、それを即座に適応するなどの荒業をこなせるのだ。


「ほう……」クイン・ウォーカーは素直に感嘆する。

「リカバリも効かせられねェんなら、おれァ21世紀最大の怪物には値しないんだよ」

「不愉快な話だな」

「ああ、とても愉快で痛快だ」


 ルーシは一旦背中に翼を移し替え、そのサイズを数百メートルにまで伸ばしていく。


「なあ。ちょっとテストするぜ」


 羽根をクイン・ウォーカーにぶつける。当然だが砕ける。


「なにがしたいのだ?」


 怪訝になる天使をよそに、ルーシは不敵に笑う。

 刹那、翼の色が金色に変わった。金鷲の翼である。

 金鷲の翼は奇跡を起こす。それは、崩壊寸前であったNLAを再生させたときからなにも変わっていない。

 そして、その翼はクイン・ウォーカーの腕を貫通した。


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