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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ
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ノース・ロスト・エンジェルズでの一件

 まだ『クイーン』には届かない。もどかしい感覚である。

 そんな中、ルーシの背後にエネルギーが発生した。


「……ッ!?」


 振り返る余裕はない。翼を背中に広げ、その質量をもって背後のエネルギーを相殺しようとする。

 だが、様子がおかしい。そしてその異変に気がついたとき、ルーシは地べたへ急落下していた。


「──ご! はぁ……!!」


 人間の肉は案外固いことを知れるほど、強い衝撃を喰らってしまった。

 飛び出た骨は法則を乱すことで再生し、ルーシは天空を見上げる。


「おいおい……。ぐちゃぐちゃになっても行動可能なのかよ」


 そこにはベルだったものがいた。死骸があやつり人形のようになっており、こうなってしまうと燃やしてしまうほかない。


「……チッ」


 魔力も残りすくない。されどケリはつけなければならない。ルーシは地面を蹴って天空へ向かおうとした。

 そのとき。


「クソガキ。なに騒いでるの?」


 青い入院服から垣間見えるタトゥー。入院中だからかメガネをかけていて、根暗で不気味な少女。


「私は騒いでいない。騒いでいるのは国そのものだ」

「気に入らない言い回し。アンタはいつもヒトを小馬鹿にする」


 そう言い放つと、メリットはルーシの代わりに地面を蹴り飛ばして空に行ってしまった。


「おれが始めた戦争だっていうのによ……」


 仕方ないので、ルーシはメリットを追跡する。


「メリット、オマエじゃ役不足だ。大人しく下がっておけ」

「悪いけど、アンタの計画は分かってるから」

「あ? なんでだよ」

「クーアノンの絶滅、でしょ? でもアンタ分かってるの? この気色悪い死体燃やしたら、クーアノンのトップはアンタを本気で殺しにかかるって」

「……どういう意味だ?」

「けど、倒さないとこっちがやられる。策士策に溺れるとはこのこと」


 意味深長なメリットの言葉の意味を考えるには、時間が足りない。

 そして、この場を切り抜けないと先へは進めない。

 だからメリットは、旧魔術を使って手に炎を生み出す。


「……キャメルもどうなるんだか」


 そんな小声とともに、メリットは拳をベルだったものに撃ち込む。


 ルーシと途中乱入してきたメリット、及び後方支援を担当していたシエスタは、『守護天使』ベルに対して勝利を収めた。


 地上に戻るルーシとメリット。銀髪の幼女は、「先ほどの意味、教えろよ」とタバコを咥えたメリットへ問いただす。


「クーアノンどもの巣窟になってる掲示板である書き込みがあった。LTAS救済を3日後から1時間後に繰り上げると」

「1時間後? それはいつからだ?」

「いまから55分前」

「あ?」


 メリットは天空を指差す。

 そして、ルーシの脳内に言葉が流れ込んでくる。


『……これよりロスト・エンジェルスの是正を始める。……現在、ロスト・エンジェルスに巣食う、救いがたき者たちが複数名いる。……私はその対処のため、原始的な方法を用いる』


 瞬間、カチッ、という音が聴こえた。




 ノース・ロスト・エンジェルス、連絡遮断。





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