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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ
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守護天使ベル

「……クイーンって誰だ?」


 シエスタは当然の疑問を投げる。直訳で女王。この国は共和制。意味不明だ。


「クーアノンどもの頭領だよ」

「クーアノンのボス? ジョーキーとかいう変な老人じゃねェんかよ?」

「あれは傀儡だ。まあもっとも、ジョーキー当人ですら自分を名目上だとは捉えていなかったようだが」

「よく分かんねェ……」


「分からなくても、この状況が危険なことくらいは分かるだろう?」

「まあ……な」


 吹き飛ばされたことで痛んだ身体を無理やり動かしながら、シエスタはホープを守るために謎の爆撃と闘う腹積もりを決める。


「根性あるなあ、オマエ」

「馬鹿なもんだから、根性くれーしか取り柄がないんだよ」

「嫌いじゃないぜ、そういうヤツ」


 そう言い放ち、ルーシは腕を銀色の翼に変怪させていく。


「なんだよ、それ」

「『悪魔の片鱗』と私の能力を混ぜたらこうなったんだ。素敵だろ?」

「悪魔の片鱗、ねェ……」


 その刹那、またもや音がふたりの耳に届く。

 再び病院に衝撃が加われば、数百人の患者が犠牲になる。そのため、ルーシは自身の実力をもってその波動を跳ね飛ばそうとした。

 だが、どうやらそれは無駄足だったらしい。


「レクス・マギア、か……」


 この世界では魔力は質量を持ち、攻撃から防御まで多種多様な使い方ができる。

 いま、シエスタというアルビノの少年が繰り出したのは、自身の魔力を放出する『レディエイト・マギア』なる手段だった。

 爆裂するはずだった病院は、シエスタの魔力によって守られたのだ。


「これくらい使えねェと、おれァ誰も守れねェ」

「まあな。ただ……防衛ばかりじゃ戦争には勝てんぜ?」


 そう言い、ルーシはひしゃげた壁の向こう側に飛び出していく。


「流れ弾の処理は任せたぞ。シエスタ」

「ああ!!」


 人面鳥のような翼をもって、ルーシは問題解決に取り掛かる。


「さあ。どの近衛兵だ?」


 大学病院程度の広さを持つ場所に大型攻撃を仕掛けられる者が敵ならば、やはりそれなりに気を払う必要がある。

 そう考えた矢先。


「……ッ」


 ルーシの頭上に膨大なエネルギーが発生した。頭皮どころか身体全体が焼けそうなほどだった。

 たまらずルーシは翼をエネルギーに向ける。そして『存在しない現象』をフィルターにかけることで、その攻撃を相殺した。


「……ああ、守護天使かい」


 どうして天使という生き物は露出度の高い服装を着てしまうのか。あのポンコツ天使のような、隣にいてほしくない格好をした女が頭上に立っていた。


「あたしにはベルって名前があるやよ!! 守護天使でもあるけど!! んで、単刀直入に言う!! 世界平和のために死んでね!!」


 その金髪の『守護天使』を見たルーシは、邪気のこもった笑みを浮かべた。


「オーケー。世界平和のために……守護神の実力見せてやる」

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