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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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馬鹿騒ぎ

 ルーシはメリットたちの見舞いに向かっていた。


「プレジデント、御学友のお見舞いとは余裕ですね」

「嫌味かい?」

「いえ……ただ、スターリング工業の危機的状況を鑑みると、そう言いたくもなるだけです」

「危機的状況、ねェ……」


 リムジンの後部座席に座るルーシは、壊れたラジオのごとく笑い声を張り上げる。

 その奇妙で妄想のような時間が1分ほど続き、やがてルーシは宣言した。


「楽しくて良いじゃあないか。馬鹿騒ぎはみんなでするから意味があるんだぜ? なあ……!!」


 矢先、ルーシは拳銃を取り出し、誰もいないはずの真横に向けて発砲した。


「セブン・スターズのハンターさんよォ……!!」


 ぴちゃっ、と血液がルーシのスーツにこびりつく。


「なーんだ。もう分かってたのか」


 だが、まるで効いていない。だからルーシは余計に笑い散らす。

 サングラスをかけた黒髪の男性ハンターは、刹那、車の操縦を奪った。


「ッ!? うぉッ!?」運転手は絶叫する。


 その米国大統領が乗っているようなリムジンは、コントロール不能になってビルに直撃した。

 ルーシは扉を蹴り破り、首をゴキゴキ鳴らす。


「こーんな幼女がクール・レイノルズの親分かよ。世も末だな」

「悪りィなあ。文句は天使に言ってくれ。ま、もっとも……!!」


 その銀髪碧眼の幼女の腕が、ハーピーのごとく銀色の翼に変化(へんげ)していく。

 そして、大鷲のごとくルーシは天空に君臨するのだ。


「オマエの旅は私とクールに潰されて終わりだがな」


 銀鷲の翼をなびかせ、羽根が無数に落ちていく。

 ハンターは瞬間的に危険性を感じ取り、自らの姿を消した。

 だが、撤退は銃殺される定めだ。

 ハンターが飛び跳ねた場所へは、クール・レイノルズがいた。


「……てめェ!! 最初から仕組んでたのか!?」

「当たり前だろう。こんな厄介事が重なる季節に、クラスメートの見舞いになんていけねェよ」


 クールは、「それな! おれもセフレと会うの自粛してるし!」と言い、炎の渦を起こした。


 その炎は、ハンターに直撃した。

 だが、この程度でやられてはセブン・スターズの名折れである。

 ハンターは、「効いたぞ……てめェらは!!」と叫んだ。


「クール、あとは任せた」

「了解ッ!」


 ルーシ・スターリングは葉巻を咥え、最後にハンターを愚弄するようなセリフを吐く。


「オマエもこの時代がほしいんだろうな。だが、私たちの目指す世界はてめェの小さな哲学じゃ理解もできんさ。それじゃ、あばよ」


 嘲弄されたことを知ったハンターは、目の前にいるクールすらも無視して、ルーシへ攻撃を仕掛けようとする。

 しかし、それすらもルーシにとっては織り込み済みだった。


「ぎゃあッ!?」


 200メートルほど伸びた翼に、ハンターは刺され吐血する。


「おっせェな。遅漏野郎が」


 そして、翼が抜かれた瞬間、クールによる炎の迫撃が始まった。

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