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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第七幕 LTASの者たちよ、陰謀のその果てへ

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LTASの真理

「なーるほど……」


 戦略を立てる時間はさほど多くない。ルーシの傍らで退屈そうに目をパチパチさせているタイペイも、この世界にいられる時間が限られている。


「よし。出し惜しみは無しだ」


 ルーシはペンを回し、それを机に突き立てる。


「と、いうと?」ポールモールが訊いてくる・

「私のヒューマノイドを使ってセブン・スターズを除く近衛兵を退治するってところかな」

「ヒューマノイド? レイノルズちゃんですか?」八千代は怪訝になる。

「まあな。私の魂分けてつくったヤツらだ。セブン・スターズ以外なら倒せるだろ」


 ペンで机をトントン叩き、ルーシは悪巧みを思い浮かべた笑みを見せる。


「セブン・スターズを除く近衛どもは私のヒューマノイドに対処させる。だが、セブン・スターズとなれば……」


 銀髪碧眼幼女ルーシは葉巻を咥え、タイペイがそれに火を入れる。


「クール。おめェ、最近の若いヤツらに興味ねェか?」

「あるぜ?」

「ならオマエがセブン・スターズ『ハンター』を潰せ」

「了解」


 あっさりと話が進んでいく。出し惜しみなど1切せず、ルーシは手駒を使って勝利に近づいている。


「よし、定例幹部会は終わりだ。オマエら各々働け」


 全員が立つ前に、ルーシとタイペイは奥のほうへ引っ込んでしまった。


「いやー、同僚が殺されまくるのを黙って見てるだけなんてね」


 タイペイはいつもどおりの気の抜けた態度だ。

 ルーシはそんなタイペイの目をじろりと見つめ、「この前の続きでも話してもらおうか?」と告げる。


「どの話?」

「超能力と魔術のお話だ。そしてLTASのお偉方の話もだ。おれの沽券にかかわる話しだからな」


 タイペイはそんなルーシにまったく臆することなく、「ああ、あれね」と言い、話を続けた。


「魔術と科学の原理はまったくいっしょで、人間の思い込みから生じてるんだ……ってところは話したっけ。なら、その先だね」タイペイは髪をすくい上げ、「単純な話さ。LTASというシステムをつくったのがどこかの世界から訪れた超能力者ってだけ」驚愕に染まるルーシを気にせず、「神や天使を否定する国の本質は、やっぱりルーシみたいな無神論者が築いたのさ。分かった?」


 つらつらと暴露された真実。時として事実はヒトを悩ませ、狂わせる。そんなことを知らないはずもないタイペイだが、今回ばかりは特別だろう。


「……嫌味ったらしい国だな」

「まあ、私もそう思うよ。ただこの前も話したように、時代を手にしつつあるのは私たちだから。近衛兵たちも順調に倒してるし、いよいよ流れが来てるよね」


 誰が掌握するかが大事であって、過去どうであったのかは肝心な問題とはならない。そう言いたげだった。


 ルーシは首をゴキゴキ鳴らし、「世界、つかんでやろうぜ」と宣言する。


「言われなくとも」


 ふたりの兄妹が示す将来。それは破局か、成就か。

 そんなこと、神すらも知らぬ世界の話だ。


 *


「不老不死、ねェ……」


 セブン・スターズ『ハンター』はウォッカを飲み干し、サングラスを装着する。


「ジョン・プレイヤー? クール・レイノルズ? コイツらはもういらねェんだよ……!! 過去の遺産なんざ、墓場にでも捨てておけば良い……。時代を手にしてやるよ──!!」

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