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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
148/290

真実はほとんどの場合コメディ

「複雑怪奇だなあ……。意見を信じ込まなければ姉弟に惚れられるのか」

「それに、顔立ちだって素敵だろ?」

「そうか? 整ってるけど、女みたいで奇怪な気持ちになるぜ」


 そんなわけで着地。ルーシとクールは走って、アークとキャメルがいるのであろう場所へ行く。


「キャメル!! オマエなにしてくれてるんじゃ!!」


 まず、クールの怒号から始まった。あのキャメルがビクッと震えるほどの雷であった。


「こんなもん人間の身体に打ち込んで強くなりてェ!? ふざけんじゃねェ!! オマエそれでもおれの妹かよ!?」

「あ、ああ……お兄様……」


 キャメルはすすり泣く。おそらく初めてクールに叱られたのだろう。弱く震えながら、キャメルは許しを乞うような態度だった。

 そんな中、ルーシはクールを見上げる。


「やべ。ちょっと言い過ぎた」


 そう小声で漏らしていた。薄情な無法者であることは1切否定しないが、妹相手に非情に振る舞う理由はない。


「お姉ちゃん、アークは?」


 そしてもっとも気になるのは、アークの現在地だ。ルーシはハンカチを差し出し、うずくまるキャメルと目線を合わせる。


「……分からないわ。やたらと股間を弄ってたのは見たけど、急にいなくなってしまって」

(股間を弄る? なんでそんな光景ばかり見ているんだ? いや。そりゃつまり……)


 ルーシは筒型の携帯電話を伸ばし、アークの携帯が発信する位置情報を追う。


「……お姉ちゃん、なにがあってもアークを軽蔑しちゃ駄目ですよ」


 キャメルは首をかしげる。ルーシの言葉の意味が分からないのだ。


「私はアークのところへ行きます」

「おう、行ってら」


 さほど離れていない。裏側にある公園だ。

 ルーシは爆笑を抑えつつ歩く。

 本当は腹を抱えながら大爆笑したい気分だが、いかんせん人類のほとんどはあんな目にあったことがないので、あんな目にあってしまった同胞として教えられることは教えなければならない。


「……アーク、やはりオマエは面白いよ。神のいねェ国でも罰当たりなことなんてするものじゃねェな」


 ブレイクスルー公園。アーク・ロイヤルはそこにいた。

 やたらと胸や股間を触り、胸をパンパン叩き、菩薩のような表情でベンチにもたれる。


「調子は?」


 ルーシは車から抜いておいた中和ガスを投げ渡す。


「……未踏峰に到達できた気分だよ。誰がどう見たって、いまのぼくは女の子だ」


 神経ガスを抜くつもりはないと、ルーシが投げ渡してきたものを横に置くアーク。

 ルーシはアークの隣に座り、紙巻きタバコを咥える。


「最初からこれが目的だったのかい?」

「神経ガスの噂はもともと知ってたんだ。あの劇薬は自らに()()()()()()を与えるってね。ぼくは外に出られる数少ない立場の者だから、キャメルすらも騙して奪取したよ。まあ……」


 アークはダイヤモンドでも手に入れたような目つきで、とろけた顔で、「そんなことどうだって良い。ぼくはきょうから女の子だ。やっとたどり着いたんだ」


 ルーシは苦笑いを浮かべるだけだった。

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