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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇

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別世界の法則がこの世界の条理に塗り替えられるとき

「名前は?」

「エアーズだ」

「有用な野郎だ。私についてくれば面白いもの見られるぞ?」

「悪りィが、ヒトの下につくつもりはねェ」

「だろうな」


 承知の上での会話だった。この青年がヒトの子分に収まる可能性はなさそうに感じる。

 ルーシとエアーズは一旦距離を遠ざけ合う。

 やがて、5メートルほど離れたエアーズを刺すためにルーシの翼が伸びる。


「微弱な魔力しか漂ってないな。なんでそんなに威力が高けェんだ?」


 当然エアーズも避ける。まるでルーシが次に攻撃する場所を知っているかのように、彼は地面を蹴ったり伏せたりを繰り返す。


(未来でも読めるのか? おそらく旧魔術だな)


 すこし先の攻撃の軌道が読めるのならば、こんなちょっかいを出すような追撃は意味をなさない……。そう考えたルーシは、手を振ることで衝撃波のような風を起こす。


「よう、これは避けきれるのか?」

「運動神経も良いんだよ。おれァ」


 広範囲に食らえば行動不能になる程度の波動を放ったが、エアーズのとった行動は、戦闘機から緊急脱出するかのごとく天高く舞い上がる魔術だった。


(なにがしてェんだ? あんな高いところから攻撃できるほどエイムが良いのか?)


 LTAS全体を見渡せそうな、ルーシから見れば米粒ほどの位置に到達したエアーズ。

 そのとき、砲撃音のような音が響いた。


「──ぐおッ!?」

(この距離から1点集中攻撃!? チクショウ!!)


 胴体に衝撃を食らったルーシは、血を無理やり吐いてエアーズに報復しようと空に舞い上がっていく。

 されど、酸素が薄くなるにつれてルーシの意識も弱くなっていく。


「……この状況で、まともに照準を合わせられるのか」


 こうなると出し惜しみはしたくない。1分続くか分からない必殺技を繰り出すほかないだろう。

 ルーシの背中に見える銀の翼が黒染めされていく。前世から引き継いだ攻撃手段だ。存在しない現象・法則などを生み出し操る()()()である。

 そして肝心なのは、()()()()()()()()()()()()()()ということだ。極めて不安定な能力だが、その気になれば地球上からすべての酸素を抜き取ることだってできるだろう。


「早着替えだなあ。最近の子って」


 酸素への渇望がルーシを狩り立たせる。黒鷲の翼をもって、銀髪の幼女は無言でエアーズを撃ち抜こうとする。

 だが。


「あまり馬鹿にするなよ?」


 翼はへし折られた。ルーシの顔がこわばる。


「なんで強力な敵性を研究してねェって妄想してるんだよ? オマエは異世界人だろ? MIH学園の次席で、魔術だか超能力だか知らねェが……それは存在しない法則を別世界から引っ張り出す。クールさんとの戦闘もそれで勝ってるわけだ。だけど、ひとつ穴があるよな?」

「な、んだよ……」呼吸が苦しい。

「別世界の法則を操って攻撃する。だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()よな? おい、馬鹿ガキ。ひとつ教えてやる。人間の叡智の象徴なんだよ……魔術は!!」


 刹那、意識に霧がかかっていたルーシの目を覚まさせるかのごとく、エアーズはルーシとの間合いを狭めて、10歳の幼女の顔面に拳をめり込ませた。

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