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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
137/290

"100日天下"(*)

「2対1じゃないと勝てそうにもないもんで」

「ああ、そうかよ。厄介だねェ。そのプライドのなさ」

「プライドで身を滅ぼしてなんの意味があるの? 意味分かんない」


 互いに出方を伺っている。メリットにもロンソンにも魔力が集中しつつあった。

 そして、勝敗を分けるのは間違いなくホープだ。彼女は息を小さく吐き、顔を叩くのだった。


 *


 MIH学園裏庭。ここにも大量の生徒がいる。


「おいおい……雑魚がしゃしゃり出るなよ。こっちはムカついてるんだ」


 ネジを銃弾のごとく発射し、一歩威力を間違えればヒトを殺める羽目になる少年がいた。ホープの要請を受けてMIH学園へやってきたシエスタである。


「白い肌、白い目、赤い目、タトゥー……コイツ、シエスタじゃねェのか!?」

「し、シエスタ!? 私たちとんでもないのと闘ってるよね、これ!?」


 そんな聞き飽きた特徴的な見た目を口にされ、シエスタは首を横に振る。


「そんなことどうでも良いだろうが。次、ビリビリ棒でお仕置きされてェのは誰?」


 不良らしい口調で、シエスタは強者として振る舞う。あの奇妙な幼女いわく、彼らは後輩であり、新たな陰謀を生み出しているとの話だ。


「ああ、次はオマエか?」


 そんな状況下、シエスタの前に少女が現れる。どこかで見たことのある少女だ。


「いや、ランクAふたりの首いただきに来た。ロンソンと、あたしビディで」

「もうひとりのランクAって誰?」

「ホープ、って言えば怒ってくれる?」


 シエスタは指を手のひら側に曲げ、ゴキゴキと音を鳴らす。

 その瞬間には、雷撃がMIH学園裏庭に響いた。


「てめェ……おれらをなめすぎなんだよッ!!」


 怒号だ。雷鳴にもまったく負けていない大声だった。

 雷撃が鳴り響いた刹那には、ビディとシエスタの距離は1気に縮まる。

 キスでもできそうな間隔になった頃、そのアルビノの少年は張り手でもするかのように、大柄なシエスタより頭1個分背丈の低い少女に手のひらをぶつけた。


「ホープとおれの首を取るだあ!? 100年早いんだよ!! 逆にてめェの首刎ねてやるよ!!」


 ビディは遥か彼方へ跳ね飛ばされる。ホームランボールのように、美しさすら覚える孤を描いて。


「……そりゃこうなるか」ビディはそうつぶやく。


 シエスタは軽く息切れを起こす。魔力を放射し過ぎたのだ。

 されど、まだ闘える。こんなところで体力が切れたなんて言い訳はできない。

 そうした状況の中、ビディは不敵な笑みを浮かべる。


「……ッ! てめェ!!?」


 シエスタは事前にホープから居場所を伝えられていた。校舎の裏側にある図書室にこもっていると。そのため、彼は裏庭に忍び込んだわけだ。

 では、その図書室に大砲でも撃たれたような大穴を空けられたらどうなる?


「シエスタ先輩、アンタらの100日天下はもうおしまいだよっ!!」


 答えは単純。動揺を隠せなくなるのだ。

 動揺すれば魔力をうまく身体に流せない。しかもシエスタは一瞬脱力してしまった。

 その矢先、大砲のような衝撃波がシエスタを襲った。

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